「ドラゴンボール」シリーズには数えきれないほどの名シーンがあるが、“親子かめはめ波”は屈指の名シーンのひとつだ。セルゲームで超サイヤ人2へと覚醒した孫悟飯が、死んだ父・悟空とともにセルをかめはめ波で消し去ったことを鮮明に覚えているファンも多いだろう。しかし実は、劇場版アニメ「ドラゴンボールZ 危険なふたり！超戦士はねむれない」ではそれをも上回るまさかの“親子3人かめはめ波”が撃たれ、当時のファンの度肝を抜いていた。
1994年3月に公開された劇場版「ドラゴンボールZ 危険なふたり！超戦士はねむれない」は、アニメ「ドラゴンボール」シリーズの劇場公開作第13弾。原作は「週刊少年ジャンプ」（集英社）で1984年から1995年まで約11年間連載された故・鳥山明氏による大ヒット漫画で、シリーズ累計発行部数は全世界で2億6000万部を超える。
「ドラゴンボールZ 危険なふたり！超戦士はねむれない」には、劇場版オリジナルキャラクターである伝説の超サイヤ人ブロリーが登場する。新惑星ベジータが崩壊し、瀕死の状態でありながらも宇宙ポッドで悟空を追って地球にやってきていたブロリー（CV：島田敏）は、降り立つと同時に氷河の中で永い眠りについていた。
その頃、神龍を見たいという悟飯のガールフレンドであるビーデル（CV：皆口裕子）は、悟飯の弟・悟天（CV：野沢雅子）とトランクス（CV：草尾毅）とともにドラゴンボールを探していた。そのうちのひとつがあるナタデ村で、3人は怪物退治を買って出ることになった。3人は怪物がやってくるのを隠れて待っていたが、ひょんなことから氷の中で眠っていたブロリーが目を覚ましてしまう。ブロリーは悟天を発見すると「カカロット……」と勘違いし、圧倒的な強さで悟天とトランクスを追い込んでいった。
弟たちのピンチに駆けつけ助けに入った悟飯（CV：野沢雅子）も、父である悟空への復讐を遂げにきたブロリーと相対するが瀕死寸前まで追い込まれる。最後の力を振り絞ってかめはめ波を撃つと、悟天もすかさず悟飯と並んでかめはめ波を撃った。しかし、ブロリーの発動する技は兄弟かめはめ波をものともせず押し込んでいく……。
そのとき、7つ揃ったドラゴンボールが光を放つ。悟天はかめはめ波を撃ちながら神龍に助けを請うと、その願いが通じたのか、なんと天から悟空（CV：野沢雅子）が地上に降り立ったのだった。悟空は2人に並んでかめはめ波を撃ち2人をサポートする。悟飯に「パワーが足りない」、悟天に「怯えるな」と叱咤しながらフルパワーで撃ち込んだその威力はまさに驚愕もので、ファンの誰もが見たかった“親子3人かめはめ波”が現実のものとなった瞬間でもあった。
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