世界中で愛され続けるアニメ『ドラゴンボール』。アニメならではの魅力の一つに、原作漫画の面白さをさらに膨らませるアニメオリジナルエピソード、通称アニオリ回があります。原作にはないストーリー展開やキャラクター描写は、ファンにとって新たな発見や考察の材料を提供し、時には議論を巻き起こすことも。
本記事では原作ファンはもちろん、アニメから『ドラゴンボール』の世界に触れた方にも、もう一度見返したくなるアニメオリジナルエピソードを無印版アニメおよび『ドラゴンボールZ』よりまとめています。
目次
- 『ドラゴンボール』とは
- 第22回天下一武道会までの悟空（無印第79〜83話）
- ヤムチャたちの旅の道中（無印第131～132話）
- 悟空とチチのハネムーン（無印149～153話）
- 偽ナメック星（『Z』42話）
- 魔凶星編（Z108話～116話）
- 悟空とピッコロの教習所（Z125話）
- 悟空と悟飯の超サイヤ人修行（Z170話、171話、174話）
- あの世一武道会編（Z195～199話）
- みんなでパーティ（Z288話）
- 『ドラゴンボール』アニオリ回のまとめ
『ドラゴンボール』とは
『ドラゴンボール』は、鳥山明（とりやま あきら）氏によって生み出された漫画作品で「週刊少年ジャンプ」（集英社）にて1984年から1995年まで連載されていました。物語は、主人公である孫悟空（そん ごくう）がヒロインのブルマと出会い、7つ集めるとどんな願いも叶うという「ドラゴンボール」を探す冒険から始まります。
旅の中で、悟空は多くの仲間と出会い、強敵との戦いを繰り広げながら成長していきます。また、作品全体を彩るコミカルな要素は、緊張感のあるシーンとの緩急を生み出し、物語に深みを与えています。これらの要素が融合することで、『ドラゴンボール』は単なるバトル漫画の枠を超え、多くの人々に感動と興奮を与えるエンターテインメント作品として、世界中で愛されています。
第22回天下一武道会までの悟空（無印第79〜83話）
アニメ第79話から83話までは、占いババ編の終わりから第22回天下一武道会までの間の、悟空の成長の様子を描いたアニメオリジナルエピソードです。『西遊記』をオマージュしたエピソードや「豹牙流拳法」と言ったオリジナルの拳法が登場します。
81話では「魔界」へと繋がる門が開き、悟空がお姫様を助けるエピソードも。メラとシュラと言ったオリジナルキャラの登場もアニオリならではです。
82話「あばれ怪獣イノシカチョウ」では、原作よりもイチ早く天津飯（てんしんはん）＆餃子（チャオズ）が登場し、悪党時代の２人を見ることができます。そして83話の最後にはついに天下一武道会の会場へ向かう悟空の姿が。地球の裏側へ行くほどの距離をなんと海を泳いで渡っていくのでした。
ヤムチャたちの旅の道中（無印第131～132話）
アニメ131話から132話では、ヤムチャ・クリリン・天津飯・餃子の4人がカリン塔を目指すまでの旅路がアニオリで描かれています。途中訪れた村では火山が噴火し、村は窮地に陥ります。
見どころは溶岩が村に流れないよう、ヤムチャは「かめはめ波」、天津飯は「どどん波」と、亀仙流と鶴仙流の技が見事なコラボレーションをした場面。見事に地形を変化させ、村へ溶岩が流れるのを防いだのでした。
悟空とチチのハネムーン（無印149～153話）
第23回天下一武道会で電撃結婚をした悟空とチチ。アニメ149話から153話まで、そんな2人の姿が描かれます。149話「炎の中のウエディングドレス」でチチの父・牛魔王（ぎゅうまおう）がいるフライパン山へ向かった2人。チチの母の形見のウェディングドレスを見せられたチチは嬉しそうに結婚式の準備を進めます。
ところがフライパン山で事件が。またも火災によって辺り一面は火の海に飲み込まれます。「ウェディングドレスだけでも」と死守する牛魔王。火を消すために”芭蕉扇”を求め、悟空とチチのハネムーンが始まりました。
道中にはピラフ軍団が再登場したり、チチの花嫁修業に奮闘する姿も描かれます。そして、この世とあの世の境である五行山にたどり着いた2人。八卦炉では悟空のじいちゃんこと孫悟飯（そん ごはん）が再登場します。最後は無事、フライパン山の火を消し結婚式へ。アニメでしか見られないチチのウェディングドレス姿は必見です。
偽ナメック星（『Z』42話）
『ドラゴンボールZ』42話では、ブルマ、悟飯、クリリンが宇宙潮流に飲み込まれ、ある星に到着します。3人はそこがナメック星だと思いドラゴンボール探しをしますが、実は幻覚によって作り出された偽ナメック星でした。この話ではライチとザークロという偽ナメック星人が登場しますが、彼らもブルマ達と同じく宇宙潮流に飲み込まれ、故郷に帰れなくなった宇宙人でした。
本来は人食いオーム貝といった凶暴な生物が住む、砂漠や沼や岩ばかりの大地。幻覚によってナメック星となった場所での、ドラゴンボール集めがアニオリで描かれています。
魔凶星編（Z108話～116話）
「魔凶星編」はZ108話から116話まで放送されたアニオリ回。ナメック星での激闘からおよそ10ヶ月後、地球に魔族の故郷「魔凶星」が接近したことで、かつて悟空たちが封印したガーリックJrが復活します。ガーリックJrは神の座を奪うと魔族の理想郷を作るべく、悪の心を増幅させ魔族に変えてしまう水「アクアミスト」を使い、ブルマ、ヤムチャ、チチ、亀仙人、ウーロン、プーアルを魔族に変えてしまいます。
凶暴になったピッコロが悟飯の前に立ち塞がりますが、洗脳されていたように騙していたピッコロ。最後は神様が超神水で世界を浄化し、悟飯もガーリックJrを撃破し、再び地球に平和が訪れました。ほかにも18号と知り合う前のクリリンの彼女マロンが登場したり、ベジータの宇宙放浪記なども描かれており、主人公の悟空がいない期間にも関わらず見どころが盛り沢山です。
悟空とピッコロの教習所（Z125話）
アニオリの中でも特段異彩を放つ回がZ125話です。悟空とピッコロが車の免許を取りに行くという話で、道着ではなく”悟空から借りた服”を着る珍しいピッコロを見ることができます。前半はムチャクチャやらかすギャグ展開ですが、後半では崖崩れに巻き込まれた幼稚園バスを助けるというシリアス展開に。
ラディッツ戦で見せたような、悟空とピッコロの息の合った連携がカッコよく、そして2人の関係性がコミカルに描かれています。
悟空と悟飯の超サイヤ人修行（Z170話、171話、174話）
セルゲームに備え超サイヤ人の状態を維持する修行が描かれているこの期間では、アニオリでサイボーグ桃白白（たおぱいぱい）が再登場します。悟空の姿を見て、かつて倒されたことを思い出した桃白白は悟空に知恵の輪を解かせ、その間に逃げようとします。しかし、瞬間移動で追いつかれてしまうと降参するのでした。
あの世一武道会編（Z195～199話）
セルの自爆に巻き込まれた悟空と界王様の、あの世での生活模様が描かれるアニオリです。”北の界王死んじゃった記念”として、不名誉ながらも開催された「あの世一武道会」ではオリジナルキャラのパイクーハンが登場します。
パイクーハンは西の銀河一の武道家で、セルやフリーザを簡単に撃破するほどの実力者。決勝で悟空と戦い、必殺技「ハイパートルネード」を撃つと、悟空もこのアニオリだけで見せる「超界王拳」で窮地を切り抜けます。
その後、パイクーハンは「サンダーフラッシュ」で悟空を追い詰めるも、最後は技の隙を見抜いた悟空が、かめはめ波でパイクーハンを場外へ落とし勝利。優勝となりましたが、悟空も天井に足がついていたため、場外により両者失格となりました。
みんなでパーティ（Z288話）
魔人ブウを倒し地球が平和になった後が描かれるアニオリ回です。カプセルコーポレーションでパーティーが開かれることになり、お洒落をする孫一家。悟空もスーツ姿ですが、朝から生まれそうな恐竜の卵を見守るため遅れていくことに。
おなじみのメンバーが集合しパーティは始まります。久しぶりに会った悟飯とピッコロの姿やブウにパンをあげるベジータ、音楽に合わせて踊る亀仙人やブルマ、リズムを取る天津飯の姿。しかし、せっかくお洒落したものの、悟空のいないパーティとあって険しい表情のチチ。
パーティの終盤でようやく悟空が到着すると、みんな笑顔になるのでした。
『ドラゴンボール』アニオリ回のまとめ
『ドラゴンボール』のアニオリ回は、原作の世界観を尊重しながらも、アニメならではのオリジナリティを加えることで、作品の魅力をより一層引き立てています。今回取り上げたエピソードは、それぞれキャラクターの成長や関係性を掘り下げ、物語に深みを与える重要な役割を果たしているものばかり。
原作とは異なるアニメオリジナルならではの魅力を堪能することで、『ドラゴンボール』という作品の奥深さを改めて感じることができるはず。今一度アニメを見返してみると、新たな発見があるかもしれません。
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