この時期、小中学生などジュニアモデルの撮影会が夏休みを利用して各地で盛んに行われている。
料金を払うことでアイドル活動などをしているモデルを時間制で撮影できる仕組みだが、SNSでは批判的な投稿も相次いでいる。
「普通に気持ち悪い」「親が子どものこと商品扱いしてて嫌悪感がある」(SNSの投稿)
露出の多い衣装での撮影もあるため、法的な問題点を指摘する声も上がっている。こうしたジュニアモデルの撮影会について、エンタメ業界の法務に詳しい佐藤大和弁護士に話を聞いた。
「例えば過度な露出で性器が見えてしまうと、児童ポルノ法の違反が問題になるが、通常の水着の場合、多少際どくても適用は厳しい」(佐藤弁護士、以下同)
一方、撮影会を子どもたちの“仕事”として見た場合、別の問題点があると佐藤弁護士は話す。
「撮影される側の女の子たちを労働者と考えれば、労働法令上の問題が生じる。労働者性の判断基準には、指揮監督があるか、場所や時間が拘束されているか、諾否の自由があるか(依頼を断れるか)などがある」
所属事務所や親の指示の下で一定時間拘束される撮影会。労働者として労働基準法の保護の対象になるのだろうか。
「現状の日本では、芸能事務所との関係で労働者性が認められるのはかなりハードルが高く、簡単には労働者として認められない。なぜなら、(事務所側が)労働法令などから逃れるために個人事業主・フリーランスとして扱っているからだ。だが私は、実態としては労働者に近いと思っており、労働者として守っていくべきだと考えている」
『ABEMAヒルズ』では、小中学生を中心とした4つの撮影会の主催者に契約形態やトラブル発生時対処について問い合わせたが、いずれも返答はなかった。
フリーランス扱いである場合、保護者が子どもを守る役割を果たさなければならないが、契約をめぐるトラブルが発生するケースもあるという。
佐藤弁護士のもとには「受けたくない仕事を断ったところ『違約金が発生する』と脅された」などの相談も寄せられているという。
「子どもの働く現場にはハラスメントや性的被害、過重労働の問題などがある。こういった問題に対して、発注者に対して『ハラスメントを防止しませんでしたね』『安全配慮義務違反ですね』と主張しても直接的に守ってくれる法律がないため、弁護士は苦労する。日本の法律がまだ不十分で、子どもたちが夢を実現する仕組みになっておらず、逆に、子どもたちの夢を搾取し、性的・経済的な搾取を許してしまう仕組みになっている。これは今変えていく必要がある」
Schooエバンジェリストの滝川麻衣子氏は「ジュニアモデル撮影会について調べたが正直かなり暗い気持ちになった。法整備も含めて『今はまだ不十分なんだ』と社会がまず認識すべきだ」として以下のように指摘した。
「子ども達には撮影者やSNSに上がった写真を見る人たちがどういう目で見ているのかを判断する十分な能力はまだなく、後に自分が撮影されている本当の意味を知った時に傷つく人が出てくると思う。『法に触れてないから問題ない』というロジックはここでは成立しない。また、『親がOKと言うならいいじゃないか』という考えもあるが、残念ながら親にも様々な人がいるため、『子どもは社会で保護すべき』という前提に立つべき。そもそも、小中学生が大人に囲まれて撮影する光景に違和感を持たない方がおかしい」
「国連でも採択されている『子どもの権利条約』でも、子どもの搾取の禁止、子どもにとって最善の選択をすることが必要と書かれている。現行法の枠内だけではなく、将来子供が大人になった時に本人の傷にならないかどうかまで慎重に検討して判断すべき」
(『ABEMAヒルズ』より)
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