亀田三兄弟の父で、三男・和毅のトレーナーを務める史郎氏が「こいつボクサーちゃうわ」と対戦相手に怒り心頭。公開練習での相手選手、トレーナーの振る舞いに呆れ果て「ボクシングなめてる」と憤る一幕があった。
昨年10月7日、東京・大田区総合体育館で行われた「3150FIGHT vol.7」メインイベント、IBFフェザー級2位決定戦で元2階級制覇王者で当時ランキング5位(現在同級3位)の亀田和毅(TMK)が、当時8位(現在同級2位)のレロト・ドラミニ(南アフリカ)に1-2の判定負けで敗れた。あれから10カ月、あす24日(土)大阪・大和アリーナでIBF世界フェザー級指名挑戦者決定戦として両者が再びリングで拳を交える。
19日に大阪市内のKWORLD3ジムで行われた公開練習で顔を合わせた両者だったが、そこで、この試合に向けて和毅のセコンドにつく史郎氏が敵陣営に噛みついた。
和毅は“負けたら引退”と言われる中、3月31日に名古屋国際会議場イベントセンターで開催された「3150FIGHT vol.8」に登場。フェザー級10回戦でケビン・ビジャヌエバ(メキシコ)に5回終了TKO勝ちして再起を図ると同時に、年内の3階級制覇挑戦をアピールした。一方のドラミニは試合が流れるなど不運も重なり、和毅との試合以降およそ10カ月ぶりの試合となる。
「試合の間隔があいたことは問題ない」
そう答えたドラミニに対して史郎氏は「和毅が負けてから俺が見るようになった。だから、気をつけとけよ」と凄むも、ドラミニは「OK、試合を楽しみにしてるよ」と冷静な返し。「真面目くんやな」とどこか拍子抜けした史郎氏だったが、その後、雰囲気が一変する。
「和毅選手が戦い方を変えてきたが?」
記者から質問が飛ぶと「よりアグレッシブに来てくれれば、我々としては戦いやすい」とトレーナーが応じる。しかし、そこで「こいつ(ドラミニ)に聞いたらええねん。君が戦うんじゃないだろ?」と苛立ちをあらわにした。
史郎氏の要望に応える格好で「接近戦だろうが、距離をとろうが、すべて対処できる」と自信をのぞかせたドラミニ。
しかし、さらに史郎氏は関係者に対して「減量キツイんか聞いてくれるか? 声が出ないくらいキツイのか」と畳みかけるも、ここでもドラミニに「俺の仕事は戦うこと。おしゃべりすることじゃない」と一蹴される。それでも史郎氏は「最近(日本では)計量オーバーが多いからちゃんとしてくれ。それだけの話や」と語気を強めた。
いよいよ、ドラミニの公開練習へ。すると、まさかの事態が。ドラミニが靴下にスリッパを履いたままでリングに入った。これに史郎氏は「こいつボクサーちゃうわ。シューズも履かないやつおらへん。やる気あるにしても無いにしても、ボクシングをなめとる」とあきれた様子。
スリッパを脱いで靴下姿でミット打ちを開始したドラミニに対して、トレーナーは裸足でリングへ。30秒ほどミットを軽く叩くと、フィニッシュと突然の終了宣言。これには史郎氏も「終わりか?」と驚いた様子。隣で興毅ファウンダーも呆気に取られていた。