「気づいたら王様、移動してないかなぁ…」渡辺和史七段、仲間の指し手にヤキモキ 謎の心の声にファン大ウケ「玉ワープ」/将棋・ABEMAトーナメント2024
【映像】ポツリと願望を漏らす渡辺和史七段

 心配でソワソワ、指し手にヤキモキ。そんな胸中が言葉になって漏れてしまった。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」本戦トーナメント1回戦・第4試合、チーム中村 対 チーム稲葉の模様が8月24日に放送された。第2局はチーム中村・佐々木大地七段(29)と、チーム稲葉・藤本渚五段(19)が対戦。後手番の佐々木七段が、苦しい辛抱を迫られる局面を迎えると、チームメイトの渡辺和史七段(29)が「気づいたら王様、移動してないかなぁ…」とボソリ。ファンも反応する一コマがあった。

【映像】ポツリと願望を漏らす渡辺和史七段

 第1局をチーム中村が制し、スコア1-0で迎えた第2局。佐々木七段はチーム連勝を目指して、10代のホープ藤本五段と対戦した。藤本五段の先手で始まり両者、雁木に構えると、先手が2筋の飛車を8筋に転回して、飛車同士が向かい合う格好に。早々に8筋が攻防の焦点となった。

 ここで注目されたのが両者の玉の位置。先手玉はバランス型と呼ばれるように5筋にいたままだったが、後手玉は右玉模様で6筋に。8筋で大激戦が始まれば、いきなり戦火に巻き込まれるような“危険地帯”だった。そんな心配が的中するかのように、藤本五段は▲8三桂と打ち込む一手で、相手の飛車筋をずらし、一気に8筋を突破しようという戦略に。佐々木七段も△7二銀と辛抱の一手を放つも、形勢はじわりと先手ペースになった。

 プレッシャーをかけられている仲間の様子に、ソワソワし始めたのが渡辺七段だ。6二の地点にいる後手玉を見ながら「いやー、気づいたら王様、3一ぐらいまで行っていないかなー」とポツリ。これを聞いた中村太地八段(36)も「ワープしたいですね、確かに」と、激戦区からの離脱を願っていた。

 このやりとりにファンも反応。「玉ワープ」「ワープしたい」「31に玉居たら全然違うねw」とコメント。なおこの一局はなんとか粘り、終盤に逆転した佐々木七段が168手で制している。

◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】ポツリと願望を漏らす渡辺和史七段
【映像】ポツリと願望を漏らす渡辺和史七段
【映像】作戦を練り微笑む稲葉陽八段
【映像】作戦を練り微笑む稲葉陽八段
「AIの影響ではない」先輩棋士が力説する“藤井将棋”の魅力 藤井聡太王位が幼少期に身に着けた根気強さ「反復練習の必要性を盤上で表現している」