連投キャラを逆手に取った?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」本戦トーナメント1回戦・第4試合、チーム中村 対 チーム稲葉の模様が8月24日に放送された。フルセットにもつれ込み、しかも最終第9局が千日手・指し直しになるという大接戦は、スコア5-4でチーム稲葉が勝利、ベスト4に進出した。チーム稲葉といえば例年、対局に勝利した棋士が次の対局にも出場する“連投作戦”を多用することで知られている。するとスコア2-2の第5局、オーダー会議で連投する・しないが検討されることに。裏をかくような決定に視聴者も反応した。
同大会は1人3局まで指せるルール。連続で3局指すことも可能で、過去には中村太地八段(36)初めて3連投で3連勝を達成したことがある。稲葉八段は例年、リーダーを務めているが、勝利した棋士の勢いを重視し、次の対局にも送り出すケースがよく見られている。
スコア1-2で迎えた第4局は、新鋭・上野裕寿四段(21)がタイトル挑戦の経験もある強敵・佐々木大地七段(29)を白熱の終盤戦を制して121手で勝利。上野四段にとっても、命からがら手にした白星といった表情で、チームメイトのもとに戻ってきた。次の対局者を決めるオーダー会議、稲葉八段は疲労の色が見える上野四段に向けて「さすがに連投したいという願望は…」と、ひとこと。上野四段も「いやいや」と苦笑いして返すと、稲葉八段は「したいと言っても止めるかな」と笑い、「使い切るのは勝負的にね。そこまでする局面でもない」と連投策を見送った。
すると稲葉八段、ふと思いついたのか“封印”したことに「あまりこういうオーダーをしたことがないから、逆に読まれないことを期待して!」と、相手チームが連投を予想してくることを望むコメント。ファンからは「さあ連投か」「連投したい願望とはwwww」「稲葉連投催促は伝統芸」といった声が寄せられていた。
◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)