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【映像】稲葉八段がチーム勝利を決めた瞬間の表情

 最速・最強はどのチームに!?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」本戦トーナメント1回戦・第4試合、チーム中村 対 チーム稲葉の模様が8月24日に放送され、稲葉陽八段(36)率いるチーム稲葉が最終スコア5勝4敗で準決勝進出を決めた。この結果、ベスト4はチーム稲葉のほか、前回覇者のチーム永瀬、絶対王者の藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)率いるチーム藤井、豊島将之九段(34)のチーム豊島の4チームに決定した。

【映像】稲葉八段がチーム勝利を決めた瞬間の表情

 「負けるわけにはいかない」――。第5回優勝の稲葉八段率いるチーム稲葉が圧巻の逆転劇で準決勝進出を決めた。

 同学年の中村太地八段(36)がリーダーを務めるチーム中村との本戦1回戦・第4試合では、意表の先発となった中村八段に続き、チーム中村・エースの佐々木大地七段(29)が連勝。チーム稲葉にとっては苦しい立ち上がりとなった。新人王戦覇者の上野裕寿四段(21)、最年少棋士の藤本渚五段(19)が序盤に黒星を喫したとあり、第3局は両者の兄弟子でリーダーの稲葉八段が出。相手の渡辺和史七段(29)に三間飛車の出だしから追い込まれるも、急所を見せない勝負強さを発揮した稲葉八段が逆転勝利を飾ってみせた。

 リーダーが掴んだ流れを何とか結果に結びつけるべく、第4局を担ったのは上野四段。初手合いの先輩棋士・佐々木七段に得意の矢倉をぶつけ、難局を制して2勝2敗のタイに追いついた。

 今期の稲葉八段は、今期公式戦でも振り飛車を多く採用。超早指し棋戦のABEMAトーナメントでも戦型選択の主軸としており、2勝4敗と追い込まれた勝負所の佐々木七段戦でも三間飛車を志向し、しっかり勝ち切ってみせた。

 主将の仕事は勝ち星を集めることだけでなない。精神的な支柱として控室でも仲間を鼓舞。時には優しく、時には熱い言葉をかけて若いチームメイトを支えた。これにより、なかなか実力を発揮することのできなかった弟弟子たちも本来の力を見せられるように。3勝4敗で迎えた第8局では、藤本五段が敵将の中村八段を撃破しフルセットに繋げる大仕事を遂げた。

 運命の最終第9局は、稲葉八段と渡辺七段のカードに。振り駒でチーム中村の先手と決まったが、稲葉八段の四間飛車の出だしから熱戦の末に千日手が成立した。“通算10戦目”となった指し直し局では、この試合で始めて先手番となった稲葉八段が向かい飛車を志向。互いに玉をしっかり囲い合いじっくりとした戦いに展開すると、主導権は渡辺七段に。稲葉八段の穴熊へじりじりと迫っていった。しかし、リーダーの闘志は消えない。強気のラッシュで後手陣へ猛攻撃を仕掛けると、流れを押し戻してみせた。超早指し戦の経験豊富、百戦錬磨の稲葉八段は圧巻の指し回しで勝利へ一直線。指し直し局を149手で制した。

 シーソーゲームの大激戦から、終盤の3連勝で逆転勝利を決めたチーム稲葉。稲葉八段は「(全体を通して)苦しい展開続いた。最終局は負けるわけにはいかないと堅さを頼りになんとか頑張ったという感じです。スタートが悪くて粘るというのはたくさん経験してきて、そういう時の戦い方はわかっている。その経験を活かすことができた」と充実感溢れる表情で試合を振り返った。

 いよいよ4チームに絞られた今期の戦い。第5回覇者のチーム稲葉は最速・最強の座に返り咲くのか、ますます目の離せない戦いが繰り広げられることになりそうだ。

◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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