「出社途中のマンションの入り口で、コンビニ帰りで力尽きた父にばったり出くわした。もはや父には鍵を出してオートロックを開ける気力も体力も残っていなかった」
84歳の父親が熱中症で倒れた時の体験談を語ってくれたのは、税理士の木村聡子さんだ。
仕事もあり急いでいた木村さんは父親を母親に任せて仕事場へ。しかし、その15分後…。
「母から携帯に『救急車を呼んで』という連絡があった。驚いて『どういうこと?』と聞くと、父は全く歩けず、体温は39度。母も慌てていて自分の携帯から救急車が呼べず、私を頼ってきた」(木村さん、以下同)
父親が動けなくなったのは午前中で、この日の最高気温は35℃の猛暑日だった。
「父は足腰が不自由なこと以外は普段元気だが、運動不足とクーラーの効いた環境に慣れていたことが原因で熱中症になってしまったという。帽子を被っていたとはいえ、想像以上の暑さの中をコンビニまで往復20分から30分歩いたことで、へばってしまったのだ」
木村さんは呼んだ救急車で父親と母親を病院へ送り、自分も急いで仕事を片付け病院に向かった。
「ベッドに寝かされていたり、ぐったりしているかと思っていたが、車椅子に座って点滴を受けていたので拍子抜けした。水分不足で出かけたことも原因のようだった」
幸い軽症で済んだ父親。しかし、重症化するとどんな症状が出るのか?
内科医の安西淳医師は「人の細胞は体温が高くなると変性して死んでしまい、組織や臓器が機能を維持できなくなる。例えば脳に機能障害が起こると高次脳機能障害と言われる記憶力低下などが生じる。熱中症が重症化すると臓器障害が起こり、治らない後遺症が残ることもあるので、注意が必要だ」と説明した。
高温で細胞が破壊され、脳などに後遺症が起こる場合もあるのだ。
では、熱中症にならないためにどんな対策が有効なのか?
安西医師は「まず第一に暑いところに長時間いないこと、そしてこまめな水分補給が重要だ」と指摘した。
連日の猛暑の中、父親が熱中症で倒れた木村さんは、その危険性を改めて感じたという。
「熱中症の怖さは、自分や家族が体験しないとなかなかわからない。私は見た目は気にせず、首に巻く冷風機を使っている。自分を守るための工夫が必要だと改めて感じた」(木村さん)
【熱中症が疑われる人を見かけた際の主な応急処置】(厚労省「熱中症予防のために」から)
「エアコンが効いている室内や風通しの良い日陰など涼しい場所へ避難」
「衣類をゆるめ、からだを冷やす(首周り、わきの下、足の付け根など)」
「経口補水液を補給」
※経口補水液を一時に大量に飲むと、ナトリウムの過剰摂取になる可能性もある。肝臓、心臓等の疾患の治療中で、医師に水分の摂取について指示されている場合は、指示に従ってほしい。
(『ABEMAヒルズ』より)
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