【ブンデスリーガ】フライブルク 3-1 シュトゥットガルト(日本時間8月24日/ヨーロッパ・パルク・シュタディオン)
“新ボンバーヘッド”を印象付けた瞬間だった。ドイツ3年目にして念願のブンデスリーガ・デビューを飾った、シュトゥットガルトに所属する日本人DFのチェイス・アンリが、相手チームのサイドチェンジを冷静にヘディングで対応。その風貌からファンからは、元日本代表DFの中澤佑二と重ねる声も挙がった。
2023-2024シーズンにブンデスリーガを2位で終えたシュトゥットガルトにとって、2024-2025シーズンは国内リーグとカップ戦に加えてUEFAチャンピオンズリーグ(CL)を戦う特別なシーズンだ。しかし、開幕前から最終ラインに怪我人が続出。ただでさえ伊藤洋輝がバイエルン、ヴァルデマール・アントンがドルトムントに引き抜かれるという厳しい台所事情のなか、故障者まで出てしまったことで、ブンデスリーガ初戦から人選に悩まされることとなった。
チームとしては危機に陥ったが、逆にチャンスを掴んだ者もいる。その1人が、2022年に福島県の尚志高校からシュトゥットガルトのセカンドチームに加入していたチェイス・アンリだ。昨シーズンからトップチームのベンチに入っていた20歳の日本人DFは、フライブルクとの開幕戦に65分から交代出場。念願のブンデスリーガ・デビューを飾った。
すると、登場から間もなく持ち味を発揮する。67分、相手のサイドチェンジに対して反応したチェイス・アンリは、後ろ向きにスプリントして強烈なヘディングでボールをカット。相手の攻撃を止めるだけでなく、丁寧にヘディングで味方へとパスを繋ぎ、デビュー直後という緊張感が漂う場面でも冷静に自らの役割をこなした。
そのアフロの風貌も相まってネット上のファンは、「中澤かよ!」「ボンバー!」「新ボンバーヘッドだな」「ごりごりいってほしいわ」「いいぞアンリ!」「ナイスだね」「ヘディングいいね」など、元日本代表キャプテンと姿を重ねながら新星にエールを送っていた。
フライブルクのMF堂安律が決勝ゴールを挙げたこの試合で、チェイス・アンリは20本のパスすべてを成功させるなど、大きなミスもなく与えられた役割をまっとう。チームとしては離脱者続出という厳しい状況にあるが、チェイス・アンリにとっては自らの存在価値を示すチャンスである。
実際、チェイス・アンリは試合後のABEMA独占フラッシュインタビューで、「やっとトップチームの試合に出れました。でも、満足していません。トップチームで出て終わりではなく、スタメンを狙っていきたい」とギラギラした想いをたぎらせた。次節以降の活躍にも期待したい。
(ABEMA/ブンデスリーガ)