亀仙人(CV:宮内幸平)といえばその強さもさることながら、スケベさでもこの世で右にでるものはいない。孫悟空(CV:野沢雅子)とブルマ(CV:鶴ひろみ)と出会ってからは、ラッキースケベ遭遇率も異常な高さだと言ってもいいだろう。当時少年の多くが亀仙人を羨んだが、ときにそのスケベ心が散々な結果を招いたこともあった。
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明の同名漫画が原作。シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える大ヒット漫画で、以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が秋に放送予定となっている。
ドラゴンボールが海底奥深くに沈んでいることを知った悟空とブルマだったが、ブルマのミスで潜水艇が入っているホイポイカプセルを自宅に忘れてきてしまった。ドラゴンボールが沈む位置は亀仙人が住むカメハウスに近かったこともあり、悟空は亀仙人から潜水艇を借りることを提案した。
「あのスケベ爺さんにだけは頼みごとはしたくなかったのに」と乗り気ではないブルマだったが、ほかに方法もないためしぶしぶ悟空とカメハウスに向かうと、悟空の期待どおり亀仙人は潜水艇を持っていた。2人の頼みを聞いた亀仙人は「いいぞい、貸してやっても」と快諾。しかし、ブルマが恐れていたとおり「ただし、じゃ……」と条件がついた。
ブルマは「ほらきた」と身構えたが、亀仙人が潜水艇を貸すかわりに欲しがったのは、ブルマが持っていた体を小さくできる装置だった。てっきりスケベな要求をされると思っていたブルマは「これだけでいいの!?」と驚いたが、これを快諾して交渉は成立した。
亀仙人はスケベな要求をしなかったのか?いや、そうではない。スケベ心を隠していただけなのだ。亀仙人はブルマにアイスコーヒーを飲ませてトイレに行かせる作戦を遂行。まんまと作戦通りにブルマがトイレに向かうと、亀仙人も小さくなってトイレに向かって猛ダッシュ!しかし先に小さくなってから追いかけたため、亀仙人がトイレに忍び込んだときにはすでにブルマは用を足したあとだった。
これまでかなりのエロミッション成功率の高さを誇っていた亀仙人だったが、今回のムフフ大作戦は大失敗。のぞきに失敗してしまっただけでなく、さらには足をすべらせて便器の中に……。過剰すぎるスケベ心は身を滅ぼすと亀仙人が視聴者にその身をもって教えてくれたワンシーンだった。
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