【明治安田J1リーグ】FC町田ゼルビア 2-2 浦和レッズ(8月31日/国立競技場)
何としてもロングスローを阻止したかったのだろう。J1リーグ29節で、浦和レッズのフィジカルコーチを務めるヴォイテク・イグナチュク氏が、FC町田ゼルビアのスローイン時にピッチ脇のタオルをビニール袋ごと回収する姿が中継映像に映り込んだ。
ゴールレスで迎えた9分だった。町田が相手陣内の右サイドでスローインを獲得すると、日本代表に初選出されたばかりにのDF望月ヘンリー海輝がボールを抱えた次の瞬間、浦和のイグナチュク・コーチがベンチ前に置かれたタオルをビニール袋ごと取り上げたのだ。
町田はチームの大きな武器であるロングスローを成功させるべく、ピッチ脇に無数のタオルを準備している。スローワーがそれで手やボールの水分をふき取り、滑りにくくした状態で遠投するためだ。この日は雨が降っていたため、タオルはビニール袋に入れられ、ピッチサイドの至る所に置かれていた。もちろん相手ベンチ前も例外ではなかった。
そのため望月はいつも通りに近くのタオルを手に取ろうと振り返った先に、ビニール袋ごと回収する相手チームのコーチの姿が目の前にあり、少し驚いた様子を示した。
ただ、町田のタオル配置は徹底されており、望月は慌てることなく数メートル先のタオルを拾い上げて入念にボールを拭き上げ、しっかりとロングスローを投げ切った。
これに対して実況の西岡明彦氏は「レッズのベンチサイドがタオルの位置を抗議しています。レッズのコーチがビニール袋ごと取り上げて回収しましたが、4thオフィシャルからは注意を受けています」とレポートした。
このなんとも珍しいシーンにはネット上のサッカーファンも注目。「なんだ今の?」「浦和のコーチ?」「タオル没収された?w」と驚きつつ、「タオルはルール違反じゃねーだろw」「怒られたん?w」「タオル没収w」「回収は新しい作戦w」「もうビニールの中に水入れちゃえばいいじゃん」「頼むタオルカメラ置いてくれw」と苦笑いにも似たコメントも相次いだ。
イグナチュク・コーチの行動はこれだけで終わらず。その後も回収したタオルで、自身の顔や頭を拭き、町田のロングスローを食い止めることに必死だった様子。再び実況の西岡氏は「町田ベンチは4thオフィシャルに抗議していますが、先ほどから浦和のコーチがビニール袋のタオルを相当嫌っているようです。ピッチサイドから動かし、タオルを取り出して自分の顔を拭いていましたので、かなりの嫌がらせをしながら駆け引きをしています。町田はタオルを入れ替えました」と詳細を伝えた。
この行動に対してSNSでは、「浦和のコーチ面白いわwww」「これがロングスロー封じの答えか」「顔拭いてたぞw」「めっちゃ必死やんw」などのコメントが並んでいる。
イグナチュク・コーチのおかげか、浦和はロングスローから失点はせず。ただ、終了間際に痛恨の同点弾を許して、試合は2-2の引き分けに終わった。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)