【明治安田J1リーグ】FC町田ゼルビア 2-2 浦和レッズ(8月31日/国立競技場)
歓喜が一瞬にして吹っ飛んだ。FC町田ゼルビア戦で浦和レッズのMF松尾佑介が後半アディショナルタイムにカウンターからダメ押しの3点目を奪ったが、並走していたFW二田理央が相手選手を引っ張ったプレーがファウル判定となりゴール取り消し。直後に町田が同点ゴールを奪って2-2で終わっており、浦和ファンは大きく失望した。
90+3分、1点リードの浦和が町田のセットプレーをしのぎ、カウンターから松尾の前に広がるスペースにボールが落ちる。背番号24は快足を飛ばし、町田のDF杉岡大暉を置き去りにする高速ドリブルでゴールに向かって一直線に進んでいく。50m級のロングスプリントで一気にボックス内に踏み込むと、日本代表のGK谷晃生を冷静にかわして左足でゴールマウスに流し込んだ。
リードを2点差に広げて試合を決定づけるゴールに、サポーターは感情を爆発させた。ネットを揺らした松尾はサポーターのもとへ走っていき、勝利を確信しながら喜びに浸っていた。
そこにチームメイトも集まっていくが、レフェリーの笛が何度も鳴る。リプレイ映像を確認すると、松尾の猛スプリントに浦和の中で唯一並走していた二田が、ボックス手前で町田のMF下田北斗のユニフォームを必要以上に引っ張って倒していた。倒されていなくても下田が松尾に追いつけたかは微妙な距離感だったが、これがファウル判定となり、結果的にゴールが取り消されてしまった。
解説の福田正博氏は、レフェリーが二田のファウルを取ってノーゴール判定を下したことを知ると、「浦和サイドにしたら、これはいらないプレーですね。まったくいらないですよ」と語気を強め、同じく解説の太田宏介氏は「ボールには関係ないので、必要のないプレーでしたね」とコメントした。
松尾が単独で結実させたカウンターアタックに対してファンは、SNSで「まじで松尾愛してる」「完璧なカウンターだわ」「松尾の単騎カウンターw」「一人旅じゃん」「うまく決め切った!」と称賛。ただ、二田のファウル判定がわかると、「余計なことすんなよ」「流石にこれは擁護できんぞ」「えっ?ファウル?」「何してんだよ…」「酷すぎる」「ゴラッソが取り消しになってもーた」と厳しい声を寄せた。
浦和にとってこのゴール取り消しは、まさに痛恨だった。その約4分後、町田のFWエリキに同点ゴールを奪われたからだ。3-1で勝利しても不思議はなかったゲームが、2-2のドローに終わっている。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)