【明治安田J1リーグ】FC町田ゼルビア 2-2 浦和レッズ(8月31日/国立競技場)
危険なシーンだった。接触プレーの際にFC町田ゼルビアのFWオ・セフンの足裏が、浦和レッズのDF井上黎生人の顔面に入ってしまったのだ。衝撃プレーにファンからは「は?これでカードないの?」「浦和サポじゃなくてもこれは酷すぎて同情するわ」などの声が挙がった。
ゴールレスで迎えた34分だった。町田のオ・セフンがボールを浮かして左サイドから相手陣内への進入を図ると、浦和の井上が素早い出足で寄せてボールと相手の身体の間にうまく割って入る。ボールがピッチの外に出た次の瞬間、背中を押される形で井上が倒れると、オ・セフンは勢いそのままに井上の顔を踏みつけてしまったのだ。
目の前にいた井上が倒れたことでオ・セフンもバランスを崩し、何とかして踏ん張ったところにたまたま相手の顔があり、避けることができなかった。オ・セフンはその後すぐに片手を挙げて意図的ではなかったことをアピールし、顔を抑えて倒れ込む井上のもとに駆け寄って謝罪していた。
ただ、かなり危険なプレーだった。リプレイ映像で確認すると、たしかにオ・フセンの左足・足裏が井上の顔面を捉えている。これを見ていた実況の西岡明彦氏、解説の福田正博氏と太田宏介氏も驚きの声を漏らしている。
それゆえネット上のサッカーファンも、「踏むなよ」「は?これでカードないの?」「明らかに踏んでるぞ」「わざとではないだろうけどスパイクで顔面踏むのヤバい」「レッドカードだろ」「なんでVARなし?」などとコメントしていた。
サッカースパイクの裏にはポイントと呼ばれる突起物が付いており、今節のように雨でぬかるんだピッチでもグリップ力を確保するために金属製ポイントのスパイクを選ぶ選手もいる。不幸中の幸いか、オ・セフンのスパイクはプラスチック製だったが、194cm・93kgの巨漢を支えている足裏が顔面に入ってしまったのだから、井上にとっては恐怖であり痛みもあっただろう。
顔面を踏みつけられた浦和の井上は、ゆっくりと立ち上がってプレーを再開。48,887人が駆けつけた国立競技場からは労いの拍手が送られた。なお、激闘となった試合は、2-2のドローで終了。それぞれ勝点1獲得にとどまり、町田は首位の座をサンフレッチェ広島に譲って2位に後退し、浦和は12位のまま(2試合未消化)となった。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)