競輪のプロ選手を育てる「日本競輪選手養成所」。根性論で厳しく接してきた昭和の指導から、選手たちの自主性を尊重する令和の指導へと大きな変化を遂げた。その代表例の一つが、スマートフォンの使用だ。令和の時代らしく、ルールを緩和したあるワケに注目が集まっている。
9月1日に放送された『ABEMAスポーツタイム』では、プロアスリートの養成所に潜入し、競輪選手を目指す候補生たちを取材した。
競輪選手は全国に約2300人おり、最もプロが多いスポーツだ。選手たちの給料は固定給でなく、競争による賞金制。最高位に当たるS級の優勝賞金は2300万円で、競輪選手たちの頂点を決めるKEIRINグランプリの優勝賞金は1億3700万円にものぼる。
しかし競輪選手は誰でもなれるわけではなく、国内で唯一のプロ養成機関である『日本競輪選手養成所』で10カ月の訓練を経て国家資格を取得し、晴れてプロ競輪選手となれる。
そんな日本競輪選手養成所も、昭和から平成までと令和の現在で指導方法が大きく変わった。平成までの『日本競輪学校』では強いメンタルを育むことを第一として根性論による指導が行われてきた。一方で令和になってからの『日本競輪選手養成所』では、自主性を尊重しコンプライアンスを遵守することで、候補生たちものびのびと過ごしている。さまざまな指導が変化した中で、最も注目されたのがスマートフォンの使用についてだ。
競輪選手は、競技参加中は通信機器の持ち込みが不可となっている。これは競輪が公営競技のため、公平性を保ち、八百長などを防止するため外部との接触や連絡を一切禁止するため。養成所でもそれに則りスマートフォンが使用禁止となっているが、週に1回、休日に限り使用が許されるように緩和された。
勤務歴20年以上のベテラン教官は、その意図について「SNSはいい部分もありますが、炎上することもある。『怖いんだよ』と。SNSの運用について、プロアスリートとしての自覚を持つことを教えている」と、プロアスリートとしての必須スキルを身につける必要性を挙げた。
(ABEMAスポーツタイム)