■女性用風俗店セラピスト「性欲ではないところで女性は悩んでいる」
性体験がない女性のための風俗「ムツゴト」の男性セラピスト・カオル氏は、「10年以上前、mixiでカウンセリングのコミュニティーを運営していた時に、よく処女の方から性的な悩みを受けていた」ことが、女性用風俗を始めたきっかけとなった。「鹿児島から東京に会いに来た人もいて、悩みの深さがわかり、『手助けしたい』と合法的な店作りを決めた」と説明する。
ムツゴトは2015年から運営(無店舗型性風俗特殊営業)し、男性セラピストがスローな指入れで「痛くない初体験」を提供している。カウンセリングをして、安心感を感じてもらってからセッションへ移り、料金は3時間3万6000円、5時間6万0000円。本番行為、痛いこと、汚いことは禁止している。
大学生から60代まで様々な年代が利用し、一番多いのが「29歳」「39歳」「49歳」だそうだ。「節目の年齢に強迫観念から訪れる。男性は風俗を『性欲処理の場』と思うが、女性は性欲が理由ではなく、『このままでいいのか』と悩んで来る人が多い」と明かす。
客層は「すごくキレイで彼氏がいそうな人もいる。容姿は全く関係ない」という。「女性はセックスしようと思えば、街でのナンパなど男性よりは簡単だろう。しかし、そこには怖さなどの感情が絡まる。単純なする・しないや、美醜の問題ではない」とした。
性体験のない未婚女性の割合は、18〜34歳で49.4%。その内訳は、18〜19歳が78%、20〜24歳が52.6%、25〜29歳が35%、30〜34歳が39.7%となっている(2021年、国立社会保障・人口問題研究所 第16回出生動向基本調査より)。
社会学者で立命館大学准教授の富永京子氏は、カオル氏の話から「節目の年に『経験したい』と感じるのは切ない」と語る。「ある種、年齢に縛られざるを得ない女性の意識を感じる。縛られている人に『年齢は関係ない』と言っても、なかなか理解してもらえない」と考察する。
miraeさんは「性のコンプレックスについて、リアルな友人と話す機会もなかった」と半生を振り返る。「プロのセラピストには、オープンで話しやすかった。周囲が結婚したり子どもができたりと、ライフステージが変われば、友達にもそういう話はできなくなってしまう」。
また、こうした場で話すのは、「悩んでいるのは、あなただけじゃない」と呼びかけるため。「悩んでいる人は、きっと『自分だけが経験していない』と思っているが、みんなオープンに話さないだけで、実際はすごく多い。私のような人もいるので、深く悩まずに、もし相談という形でもできる場があれば、してほしい」と伝えた。(『ABEMA Prime』より)
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