孫悟空は少年時代からとんでもない強さだったがひとつだけ弱点があった。シッポを握られると途端に力が入らなくなってしまうのだ。クリリンとの同門対決となった第22回天下一武道会の準決勝では、普通に戦っていては勝てないと悟ったクリリンにスキをつかれシッポを握られてしまい大ピンチに!? しかし悟空は当時のファンもヒヤヒヤものの名演技を見せてくれた。
【映像】尻尾を握られへなへな→「ひひひ」と復活する孫悟空(12分6秒ごろ~)
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明の同名漫画が原作。シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える大ヒット漫画で、以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が秋に放送予定となっている。
悟空(CV:野沢雅子)が満月を見ると大猿に変身してしまうことは仲間内では知られているが、シッポを握ると力が抜けてしまうという弱点を知っていた者は限られていた。亀仙人(CV:宮内幸平)やクリリン(CV:田中真弓)らは、占いババの舘で悟空が亡き祖父・孫悟飯(CV:阪脩)と試合をしたときにそのことを知る。
天下一武道会準決勝で、クリリンはかめはめ波で悟空の気を引くと、そのスキをついて弱点のシッポを握ることに成功。これには亀仙人も「考えおったな!クリリン」と驚いた。みるみるうちに脱力し倒れ込んでしまう悟空。カウントが始まると、“クリリンが勝ってしまうのか…”と当時のファンもなんとも言えない気持ちになったことだろう。
カウントが9まで進み、クリリンが勝利を確信したそのとき、悟空はニヤリと笑うと何事もなかったかのように立ち上がってクリリンと亀仙人を驚愕させた。悟空は天下一武道会までの3年間、懸命にシッポを鍛え弱点を克服していたのだった。
これには亀仙人も「尾をきたえろと忠告したおぼえがあるが…そうたやすく弱点を克服できるものではない…」と感服した様子を見せた。しかし、もはや弱点はないと思われた直後に悟空はクリリンの単純なひっかけ攻撃にまんまとハマってしまう。亀仙人は前言を翻すように「弱点があった…すなおでマジメすぎる…」と呆れていた。
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