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【映像】たった90秒!鈴木大介、爆速の跳満完成シーン

 BEAST X(ビーストテン=旧BEAST Japanext)・鈴木大介(連盟)は、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」のデビューイヤー序盤で強烈なインパクトを放った。驚弾を連発し “猛獣雀士”としての絶対的な勝負師感を見せつけた。しかし、後半戦では1試合・1局ごとに戦い方が変わる条件戦の難しさもあり、自分らしさを失った。今期、大介が最も意識するのは「ブレないこと」。「後悔のない打牌を続けていく」と超強気姿勢を貫くことを宣言した。

【映像】たった90秒!鈴木大介、爆速の跳満完成シーン

―1シーズンを走り抜き振り返りを。

 鈴木大介 成績自体は散々でしたね。思っていたより何倍も悪かったです。ただプロ1年目で、Mリーグだけじゃなく他の大会とかもいろいろ出て、その中ではある程度成績が残せたかな。少なかったですけど、結構勝ち残ったことが多かったです。

 Mリーグでは最後の方、ちょっと条件戦が増えたのもあるんですけれども、思った以上に力を出せなかった。途中でチームが苦しくなって、どうしても狙いのチームを作らなくちゃいけなかった。自分の力でねじ伏せるというよりも、ターゲットを作ったがゆえに、打ち方が難しくなったというのは感じましたね。また自分はそういうの(条件戦の戦い方が)ができると思っていたのですが、実際には経験が少ない。アマチュア時代にない戦いの一つだったので、猿川(真寿)キャプテンからも「そういうのは一切やめて普通に打ってくれ」と言われています。

―長期に渡り麻雀プロとして戦い続けるのは初めてだった。手応えはあったか。

 鈴木大介 連盟のリーグ戦では赤がないということもあって、一般的な当たり前の打牌をしたら負けました。そこで原点回帰というか普通の常識ではないぐらいリーチをかけるようにした。たぶん、(佐々木)寿人さんと同じぐらいリーチをかけたと思います。そうしたら成績が安定して、2期でA2リーグに上がることができました。そういう意味では迷いましたが、もともとプロになろうと思った時の気持ちを思い出すこともできました。チーム成績が落ちた時は、自分を見失った麻雀だったかな。デビュー当時の1戦目、2戦目の方が内容は良かったかなと思います。

―チームを見ながら自分と戦うという難しさも。

 鈴木大介 結構多く登板させてもらって、非常にありがたかったです。それゆえ、好成績を残さなければいけなかった。麻雀というのはワクワクしながらツモらないと手が来ない。負けている時は辛いと思いながら麻雀を打っていた。麻雀は楽しんで打った方が、成績が安定してついてくる。今期はそういうところも考えて準備をしたいと思っています。

将棋の方にも良い影響があったか。

 鈴木大介 これはもう終わってみないと分からないですね。これまでは(日本将棋連盟理事として)裏方としてやっていて将棋の勉強時間がゼロでした。(理事を外れて)これから増やそうとしたところでMリーガーになりました。想定しているよりは将棋の勉強時間を取れなかったのですが、(日本将棋連盟の)役員をやっている時よりは将棋の勉強時間を取れるようになりました。

 Mリーガーに選ばれていなかったらもっと将棋の勉強時間が取れていたので、どうなっていたかというのは人生なのでわからないです。ただ1つわかるのは麻雀プロになって新しいことをやることでマンネリがなくなって楽しんでいる。Mリーグについては麻雀で苦しみましたが、マンネリ化するよりは楽しめているという感じです。

―周りの反応は。

 鈴木大介 プロとアマで違って、ファンの方からは応援の声が9対1ぐらいでポジティブです。麻雀プロの人からは二足のわらじということもあるので「負けてられるか」という意識があるのは感じました。来年はもっと信頼をされる打ち手になって、「将棋もやっているんだから」という見られ方よりは、一人の打ち手として内容としても結果としても認められたいと思っています。

―Mリーグ終盤戦は、条件戦の難しさもあって自分らしさが欠けた。

 鈴木大介 配牌ですごい手があって、1鳴きして混一色を1万8000点でアガったのですが、普段ならば鳴かない。余計なことを考えて普段と違うことをしてしまった。心に引っかかる部分ですね。アガれなかったかもしれないけれど、もっと高い手でアガれていたかもしれないので。どうしてもここからアガリたいとか、普段はリーチをかけたい局面でもここ(ライバル)からアガるにはどうしたらいいかとか。例えばペン3筒とペン三万が残っていて、形はペン3筒のほうが残した方が良いと思っていても直撃したい相手が三万を捨てていたらそちらを残すということをして、自分から崩れたという感じです。

―リーグ戦で何度も対戦する相手に「この人は強いな」と感じることはあったか。

 大介 寿人さんはクセがないですね。一方で、自分の中で考えている麻雀のバランスというものがあって、周りがそれとズレてくれれば勝ちやすいと思っています。今後10年攻撃型の選手がどんどん入るので、攻撃型の選手が勝つというのが必然となっていく。その差は少なくなっていくけれども、Mリーグの選手が受け身になっていてくれれば、今の自分の有利なフィールドで勝てると思っています。今のMリーグは受けすぎでちょっと実戦的ではないかなと入る前から思っていました。入ってからもそれは感じています。あとは自分が突破できるかどうか。

 渡辺太さんが入ったのは大きいですね。攻め寄りで、明らかに麻雀の全体像が違うので。Mリーグの中でも彼の麻雀を模写する人が増えてきたので、そうなると今まで「受けが7」だったのが「攻めが7」になる。滝沢和典さんや高宮まりさん、岡田紗佳さん、伊達朱里紗さん、瑞原明奈さんなど、攻撃的になって成績が安定したように見えますね。

―チーム内でご自身の意見を述べるということはあるか、逆に相手から聞いて“なるほど”と思うようなことは。

 鈴木大介 私はしゃべりすぎてしまう(笑)。猿川さんのアドバイスは年に1、2回ですが言われたことは勉強になり自分の中でも消化しています。うちのチームの良いところは伸びしろが一番あるというところ。来年度は明らかに見た目の雀力アップがあると思っています。

―チームは最下位の時期も長かったが、最終的にはレギュラーシーズンを突破できるかどうかというところまでこぎつけた。

 鈴木大介 チームはあと一歩というところまで行って、猿川さんも調子を戻してくれて行けるところまで行けました。最後の方は猿川さんがポイントを伸ばして、自分がそれを失ってしまった。惜しかったけれども、やっぱりうちのチームの弱点は絶対的なエースがいないというところ。そこが最後の短期決戦に出たと思います。

―個人的な目標は。

 鈴木大介 個人に関しては去年と違ってブレないということですね。下位になると(選手入れ替えの)レギュレーションに引っ掛かり、誰が入れ替わりとなるかは分かりませんが、スタートの段階から後悔のない打牌を打ち切るということ。自分の打ち方を貫かないと結果がどうなっても後悔するからです。そういった意味では後悔のない打牌を続けていく。去年の自分は7割ぐらいしか良いところが出なかったと思っているので、もっと見ているファンの方が喜ぶように。それは無理に作るようなものではないと思っているのですが、そういう麻雀を打ちたいと思っています。

―昨期は連投の際、1戦目でトップを取ったが2戦目で苦しんだ。

 鈴木大介 自分は流れ論者なので、去年は1戦目が4着で打ちたくないけれども打ったということがありました。1着を取って、志願で連投できるタイミングが年に1回か2回あれば良いかと思います。自分がそう思うのは1シーズンでも1回か2回だと思います。連投はしてみたいです。1年目だったので自分から連投したいということはなかったのですが心の中で出たいという時はありました。手探りだったので仕方ないところですが。

―1年を通し、チームとして成長できた部分や調整できた部分は。

 鈴木大介 自分の場合はアマチュア時代が長かったので、全局参加ということが多すぎた。悪い手の時に門前である程度進めるというのは意識しようかなと。Mリーガーは鳴き率がすごく低い。自分は30%以上がベストだと思っていて、正直な話40%を超えても良いかなと思っています。

 猿川さんも序盤は安いリーチを連発して押し負けていたところがあったんですけど、好形で押し返すことを前提にして、おそらく成績が安定した。スピードよりも打点を大事にして、成績が上がった。菅原(千瑛)さんはほとんど鳴かない、黒沢(咲)さんのような麻雀。牌勢次第というところだったのが、本人も今は考えて動くようにしている。中田(花奈)さんは、最初は自信を持って、良い麻雀を打っているように見えたのですが、途中からトップが取れないので、焦った手組みをしていた。勝負だからこそ、ゆっくり構えなくてはいけないところを早アガリに特化してしまい打点がついてこないというところがあった。今は最初の頃の手組みに戻っているでしょう。それぞれマイナスのポイントだったところを攻略できていると思います。

 アマチュア時代が長くその期間は、相手にプレッシャーだけかければ良いから、アガれない手でもとりあえず出たら鳴く、相手を牽制するというのがあった。でもそれはMリーグには向かないので自分の悪癖として考えて、かなり減らしています。

―楽しんで打つというのは将棋でも同じことが言えるか。

 鈴木大介 同じですね。プロの舞台というのは本当に厳しいし辛いのですが、勝っている時は楽しい。「勝ち星が一番の薬」という格言がありますが、それは将棋で痛いほどわかっていたはずでも、自分の中では焦りがあった。同じ配牌を見ても、シーズンが終わった後に見ると「なぜこんなに悲観的になっているのだろう」というところがありました。

 練習中にも考えているのは、心の底から麻雀を楽しむということ。野球で言うと白球を追いかけるようなことですね。あまり余計なことを考えないようにしています。

◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
ABEMA/麻雀チャンネルより)

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