孫悟空(CV:野沢雅子)とピッコロ大魔王(CV:青野武)の決戦は、間違いなく悟空少年時代のハイライトだ。天下一武道会の決勝戦とも違う、桃白白(CV:大塚周夫)との死闘とも違う、“負けたら世界の終わり”という緊張感のなか、今なお熱くなれる名セリフとともに死闘に終止符は打たれた。
【映像】全身全霊をかけた孫悟空のパンチ(14分50秒ごろ~)
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明の同名漫画が原作。シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える大ヒット漫画で、以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が秋に放送予定となっている。
悟空は若返る前のヨボヨボなピッコロ大魔王にすら敵わず、一時は心臓も止まってしまった。圧倒的な力の差があったが、リベンジを期した悟空はカリン塔に向かい、超神水を飲むことで自らの眠っていたパワーを引き出し別人のように強くなる。しかしピッコロも若返ってパワーアップしており、戦いは熾烈を極めた。
見ているほうが息をするのも忘れるほどのスピードと迫力でバトルは繰り広げられ、両者ともにダメージは大きかったが、ピッコロ大魔王はあろうことか天津飯(CV:鈴置洋孝)を人質にとることで悟空の動きを止め、左腕と負傷していなかった左足を攻撃。悟空はうつ伏せに倒れ込んでしまった。
とどめを刺すためピッコロ大魔王は空中高く飛び、勢いをつけて悟空に向かって突進をかける。これに悟空は最後の力を振り絞り、唯一動かせる右手から全力の気弾を地面に撃ってロケットのように飛び上がると、その推進力で真っ向からピッコロ大魔王に向かっていった。そして「オラの全てをこの拳にかける!!!!」と右の拳を握りしめた。
ピッコロも「はじき返してくれるわっ!!!!!」と正面から迎え撃つが、悟空は怯むことなく「貫けーーーっ!!!!」と叫ぶと、両者は激しく激突。次の瞬間、悟空がピッコロ大魔王の腹を突き破り、とうとう激闘に幕が下りたのだった。
今なお名場面、名ゼリフとして高い支持を得ている同シーン。悟空がピッコロ大魔王の体を貫いた瞬間のことを鮮明に覚えているファンは決して少なくないはずだ。
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