孫悟空（CV：野沢雅子）はこれまでさまざまなシーンで周囲を驚かせてきたが、まさか天下一武道会の最中に結婚してしまうなんて誰が思っただろうか。設定を忘れやすいと評判だった鳥山明先生もよく連載当初のことを覚えていたな……とファンが感心した瞬間でもあった。
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」（集英社）で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明の同名漫画が原作。シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える大ヒット漫画で、以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月より放送される。
強くてかわいらしい少年だった悟空が、仲間の誰もが気づかないほど大きく成長した姿を見せた第23回天下一武道会。その予選で悟空はひとりの美少女に名前を呼ばれる。「む むちゃくちゃかわいい娘じゃないかよ!!」とクリリン（CV：田中真弓）も羨むほどだったが、悟空の記憶にはないらしく「誰だ？おめえ」と言い放ち、美少女を怒らせてしまっていた。
事情があって名前を明かせないという匿名希望の美少女と悟空が本戦第2試合で戦うことになると、自分のことを思い出してくれないことに美少女は「乙女心も知らねえでよ!!ずーーっと待ってただぞっ!!」と激怒しながら悟空を攻め続けた。
美少女は悟空と約束していたことがあったらしい。それは「おらのことお嫁にもらってくれるって!!!」――。約束の内容が明かされても、悟空は思い出せないばかりか「オヨメってなんだっ!?」とクリリンに尋ねる始末だった。
ここで根っからのドラゴンボールファンなら正体が誰かわかったはずだが、悟空はやっぱり思い出せなかった。自分に勝てたら教えてやるという美少女を、悟空は拳から繰り出した衝撃波一発であっさりと場外に吹き飛ばし勝利する。すると約束通り「おら牛魔王の娘のチチだよ！」とチチ（CV：荘真由美）が正体を明かしたのだった。悟空はさかのぼること7年前、ドラゴンボールを求めてフライパン山に赴いた際にチチと会っていたが、悟空の記憶にあったチチはウルトラセブンのような兜を被っていた少女でしかなく、悟空も仲間たちもびっくり仰天。
悟空は少年時代、おマタをパンパンして確認することでしか男女を見分けられず、大事なところをパンパンされたチチは“もうこの人のところへおヨメにいくしかねえ”と決意していた。さらに別れ際に「おらがもうちっと大きくなったらお嫁にもらいにきてくれな」と逆プロポーズしたところ、何もわかっていない悟空が「くれるもんならもらいにくるぞ」と確かに言ってしまっていたのだ。いつまでたっても迎えに来てくらない悟空にしびれを切らし、正体を隠して天下一武道会に出場したようだ。
ようやくそのことを思い出した悟空は、“オヨメのことを食べ物のことだと思っていた”と告白。チチは悲しそうな表情を見せたが、悟空は「でも…まいいか…約束しちゃったもんな！」と軽すぎるノリでチチに向かって「じゃケッコンすっか！」と公開プロポーズ。チチも「んだ！」と快諾し、交際0日婚どころじゃないほどのスピード婚が成立したのだった。
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