「今なんと言った?」……神様(CV:青野武)が思わず聞き返したのも無理はない。世界の平和をおびやかすピッコロ(CV:古川登志夫)を共に倒そうと孫悟空(CV:野沢雅子)に助太刀したのに、当の悟空に「冗談じゃねーよ!」とキレられてしまったのだから。地球の危機は二の次で「まだ決着がついてねーんだ!」「邪魔しねーでくれよ、いいとこなんだから!」と神様すら怒鳴りつける場面こそ、悟空らしさの真骨頂といえるだろう。
【映像】神様に向かって「冗談じゃねーよ!」とキレる悟空(11分51秒ごろ~)
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明の同名漫画が原作。シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える大ヒット漫画で、以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月より放送される。
第23回天下一武道会の決勝は、マジュニアが自身の正体をピッコロ大魔王の生まれ変わりだと明かし会場は大パニックに陥った。しかし悟空は超巨大化したピッコロに怯むどころか、口から体内に侵入し、見事に神様を助け出すことに成功した。その後一進一退の攻防が続いたが、悟空の一瞬のスキをついてピッコロが光線をヒットさせ、悟空は激しく落下。武舞台に倒れ込んでしまった。
衝撃で思うように動けない悟空にピッコロは追い打ちの攻撃を繰り出そうとする。誰もがもうダメだ!と思った瞬間、なんと復活したばかりの神様が間に入りピッコロの攻撃を受け止めた。自らが盾となり悟空のピンチを救ったのだ。「悟空よ、この私も手助けするぞ。2人でこいつを倒すのだ」と形勢逆転……かと思われたが、当の悟空は「冗談じゃねーよ、神様!!!」とブチギレてしまった。
まさかの言葉に耳を疑う神様。さらに「まだこいつとの試合の決着がついてねえんだ! 邪魔しねーでくれよ! いいとこなんだから!」と怒り狂う悟空にクリリン(CV:田中真弓)も「あいつまだあんなこと言ってる!!!」と呆れてしまった。
さらに、このまま試合を続行するのではなく、邪魔が入ったぶんをピッコロに殴らせるというフェア(?)な精神を見せた悟空。世界の平和のことなんかより、ワクワクするような強い相手と試合をして勝つことがすべてという性格に、当時のファンが“いや世界の平和が優先だろ”とツッコミを入れたくなった瞬間でもあった。
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