<大相撲九月場所>◇十三日目◇20日◇東京・両国国技館
三段目の取組で、ひと回り以上も大きな超巨漢力士を“ひょい”っと持ち上げる怪力力士が登場。目の前で起こったまさかの出来事、衝撃の光景に国技館がどよめいた。
元十両・輝鵬の三段目五十一枚目・川副(伊勢ヶ濱)が、“超巨漢”の三段目二十四枚目・清乃海(玉ノ井)を軽々と持ち上げて三段目優勝を遂げた。小兵ながら客席がどよめく怪力ぶりを発揮した川副に、ファンも「すげー力」「えええ吊った」と騒然となった。
怪我からの再起を図る“超人”が館内を沸かせた。昨年七月場所で新十両に昇進するも、左足リスフラン関節靱帯損傷により途中休場。翌九月場所でも途中休場し、その後、3場所連続全休。今年五月場所の十三日目で復帰するも、同七月場所では序二段まで番付を落としてリスタートを切ることとなった川副。今場所は“完全復活”を印象づけるように初日から無傷の連勝を遂げ、身長173センチ・体重117キロの小さな体格ながら三段目優勝争いのトップに立ってきた。
優勝をかけた全勝対決となった十三日目の取組。対戦相手の清乃海は身長181センチ・体重175キロの巨漢力士だ。川副とは身長差8センチだが、体重差に至っては58キロにおよぶ。
だが川副は体格差をものともしない怪力ぶりを発揮した。立ち合い素早く攻めてもろ差しになった川副。相手のまわしを深く掴むと、引きつけて持ち上げながら一気に土俵の外まで運んでいった。超巨漢力士を豪快に持ち上げる川副に、客席からも「おおー!」とどよめきが沸き起こった。軍配は清乃海に上がったものの、同体ではないかと物言いがつき、協議の結果、清乃海の背中が先についているため行司軍配差し違えで川副の勝ちとなった。寄り倒しで勝った川副は全勝対決を制して7勝目を挙げ、三段目優勝を果たした。敗れた清乃海は1敗目を喫した。
関取復帰を目指す“超人”の底知れない怪力に、ファンも「すげー力」「えええ吊った」「持ち上げた」「筋肉すごいな」と騒然となったほか、見事三段目優勝を手にした川副に「おめでとう!」「うれしそう」「優勝!」「胸あつ!」と祝福の声も相次いだ。(ABEMA/大相撲チャンネル)