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大相撲九月場所>◇十四日目◇21日◇東京・両国国技館

 関脇・大の里(二所ノ関)が、結びの一番で大関・豊昇龍(立浪)を下し、千秋楽を待たずして2度目の幕内優勝を決めた。史上最速の大関昇進を確実とした大の里の姿に、館内は大きく沸いた。

【映像】大の里の優勝に館内が大沸騰の瞬間

 大相撲夏場所で、初土俵から所要7場所の史上最速優勝を飾った大の里が秋場所でも圧巻の強さを見せつけた。十二日目、前頭七枚目・若隆景(荒汐)に土をつけられたものの、そのほかの取組では危なげない相撲で、ファンのみならず関係者にも強烈なインパクトを与えた。

 十四日目に大の里が取組を行った豊昇龍は、過去の対戦成績が1勝3敗。今年初場所での初対戦から3場所連続で対戦しているが3連敗を喫するなど、苦手な相手だ。しかも初の白星は豊昇龍の休場による不戦勝。実際に取組を行っての白星はゼロという天敵。しかし、大の里はそんなデータを吹き飛ばすかのように強い相撲で、豊昇龍に土をつけた。

 大関昇進目安とされる“三役で3場所33勝”、これで3場所合計34勝目となった。その上、2度の幕内優勝も果たしている。まだ大銀も結えない大の里が大関昇進を果たすことは、確実だ。初土俵から所要9場所という羽黒山、豊山、雅山の12場所を大きく塗り替える史上最速の記録となる。

 入れ替わるようにして、9月20日には大関在位30場所の貴景勝(常盤山)の引退が発表された。横綱・照ノ富士(伊勢ヶ濱)は先場所優勝を果たしたものの、膝のけがなどの悩まされ、近年は休場することも珍しくない。ここ最近の三役も安定した結果が残せていなく、相撲界の顔となる存在を育て上げることが急務となっている。

 そんな中で、十両十一枚目・尊富士(伊勢ヶ濱)も千秋楽を待たずに十両優勝を決めた。尊富士は春場所で、110年ぶり2人目の新入幕優勝を果たしている。ほぼ同時期にこれだけの逸材が2人も現れることは、角界にとって歓迎すべき追い風と言えるだろう。前代未聞の“ちょんまげ大関”と尊富士が、今後相撲界をどう盛り上げていくのか注目だ。

■大の里 プロフィール
本名:大の里 泰輝(おおのさと だいき)
生年月日:平成12年6月7日(24歳)
出身地:石川県河北郡津幡町
身長:192.0cm
体重:182.0kg
初土俵:令和五年五月場所
ABEMA/大相撲チャンネル)

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