2024年のMLB（メジャーリーグベースボール）は、佳境に入ってきます。特にポストシーズン進出争いは熾烈です。この記事ではこの記事では2024年のMLBにおけるポストシーズンの仕組みを解説します。
ポストシーズン（プレーオフ）とは？
ポストシーズンの基本概要
MLBにおいて各チームの最終目的はワールドチャンピオン、すなわちワールドシリーズ（WS）制覇です。ワールドシリーズを目指して、MLBに所属する30球団は激しい争いを繰り広げています。
まず30球団はレギュラーシーズンとして3月下旬から9月末頃まで162試合を戦います。レギュラーシーズンで成績が優秀だったチームが勝ち残り、10月上旬から約1カ月間にわたってポストシーズン（プレーオフ）を争うのです。その最後を飾るのがワールドシリーズとなっています。
レギュラーシーズンとポストシーズンは完全に別物で、チームはもちろん選手の成績もレギュラーシーズンとは別として算出されます。そのため、本塁打王や最多勝など各個人タイトルの数字にポストシーズンの成績は加味されません。また、リーグMVPやサイ・ヤング賞など投票によって決まる表彰もポストシーズンの成績は反映されておらず、ポストシーズンの開幕前に投票は締め切られます。
ポストシーズンの仕組みとルール
ポストシーズン進出の条件
MLBの全30球団はアメリカン・リーグ（ア・リーグ）とナショナル・リーグ（ナ・リーグ）の2リーグ制で各15球団に分かれており、各リーグとも東、中、西の3地区制で各地区には5チームが所属しています。
そのなかでポストシーズンに進出できるのは、各リーグ6チームずつの合計12チームです。各リーグで地区優勝した3チームと、地区優勝したチームを除いて勝率が上位の3チームがポストシーズンに進出します。
ワイルドカード、ワイルドカードシリーズ、ディビジョンシリーズ、リーグチャンピオンシップシリーズとは？
地区優勝したチームを除いて勝率が上位の3チームに与えられるポストシーズン進出の権利がワイルドカード（WC）です。ワイルドカードを勝ち取った3チームは、地区優勝したチームのなかでもっとも勝率の低いチームとともにワイルドカードシリーズ（WCS）を戦います。
ワイルドカードシリーズでは、ワイルドカードの3チームのなかで勝率が最も高いチームと2位のチーム、勝率3位のチームと地区優勝したチームの中で勝率の最も低いチームがそれぞれ3試合（2戦先勝）で戦います。先に2勝したチームがディビジョンシリーズ（地区シリーズ／DS）へと進出するのです。
ディビジョンシリーズは、地区優勝したチームのうち最も勝率の高かったチームと勝率3位のチームと地区優勝したチームの中で勝率の最も低いチームの勝者、勝率2位のチームと勝率3位のチームと地区優勝したチームの中で勝率の最も低いチームの勝者が戦います。5試合制（3戦先勝）となっており、先に3勝したチームがリーグチャンピオンシップ（LCS）へと進出できます。
ディビジョンシリーズを勝ち抜いた2チームが争うリーグチャンピオンシップは、7試合制（4戦先勝）です。先に4勝したチームがリーグチャンピオンとなり、ワールドシリーズへと進出します。
ワールドシリーズの概要
リーグチャンピオン同士が対戦する7試合制（4戦先勝）のワールドシリーズは、ポストシーズンの最終決戦になります。勝者に与えられるワールドチャンピオンの称号は、MLBにおける最高の栄誉です。
またワールドチャンピオンにはチャンピオンリングが贈呈されます。ただしチャンピオンリングは大リーグ機構ではなく、各チームが製作しています。
2024年ポストシーズンの日程と注目ポイント
2024年のスケジュール概要
2024年のMLBポストシーズンは、現地10月1日（日本時間10月2日）のワイルドカードシリーズで幕を開けます。
ワイルドカードシリーズは両リーグ同時に開幕し、現地10月3日（同10月4日）までの3日間にかけて行われます。ワイルドカードシリーズは3試合制（2戦先勝）が用いられているため、どちらかのチームが第1戦から連勝した場合、第3戦は開催されません。
現地10月5日（同10月6日）に5試合制（3戦先勝）のディビジョンシリーズ（地区シリーズ）が開幕します。どちらかのチームが3勝したら以降のゲームは開催されません。
ディビジョンシリーズも両リーグ同時開幕ですが、2戦目以降は日程がずれているのが特徴的です。日程がずれていることによってファンは毎日野球を楽しめます。
7試合制（4戦先勝）で行われるリーグチャンピオンシップは、ナ・リーグが現地10月13日（同10月14日）、ア・リーグは現地10月14日（同10月15日）と1日ずれて開幕します。どちらかのチームが4勝したら以降のゲームは開催されません。
開幕日は異なりますが、両リーグともに第2戦と第3戦の間、第5戦と第6戦に移動日が設けられているのは同じです。
7試合制（4戦先勝）で行われるワールドシリーズは、現地10月25日（同10月26日）に開幕し、第7戦は11月2日（同11月3日）に予定されています。第2戦と第3戦の間、第5戦と第6戦の間に移動日が設けられている点は、リーグチャンピオンシップと同じです。
ただし両リーグのリーグチャンピオンシップが、10月19日（同10月20日）までに終了した（5試合以上続かなかった）場合は、日程が変更となる可能性があります。その場合、ワールドシリーズが10月22日（同10月23日）に開幕し、第7戦は10月30日（同11月1日）に行われます。
ア・リーグワイルドカードゲーム （2戦先勝で地区シリーズに進出）
| シリーズ | 日本時間 | ホーム | スコア | ビジター |
|---|---|---|---|---|
| ア・リーグワイルドカードA | 10月2日 | アストロズ | 1-3 | タイガース |
| ア・リーグワイルドカードB | 10月2日 | オリオールズ | 0-1 | ロイヤルズ |
| ア・リーグワイルドカードA | 10月3日 | アストロズ | 2-5 | タイガース |
| ア・リーグワイルドカードB | 10月3日 | オリオールズ | 1-2 | ロイヤルズ |
| ア・リーグワイルドカードA | 10月4日 | アストロズ | - | タイガース |
| ア・リーグワイルドカードB | 10月4日 | オリオールズ | - | ロイヤルズ |
ナ・リーグワイルドカードゲーム（2戦先勝で地区シリーズに進出）
| シリーズ | 日本時間 | ホーム | スコア | ビジター |
|---|---|---|---|---|
| ナ・リーグワイルドカードA | 10月2日 | ブリュワーズ | 4-8 | メッツ |
| ナ・リーグワイルドカードB | 10月2日 | パドレス | 5-4 | ブレーブス |
| ナ・リーグワイルドカードA | 10月3日 | ブリュワーズ | 5-3 | メッツ |
| ナ・リーグワイルドカードB | 10月3日 | パドレス | 5-4 | ブレーブス |
| ナ・リーグワイルドカードA | 10月4日 | ブリュワーズ | 2-4 | メッツ |
| ナ・リーグワイルドカードB | 10月4日 | パドレス | - | ワイルドカード2位 |
ア・リーグ地区シリーズ （3戦先勝でリーグ優勝決定シリーズに進出）
| シリーズ | 日本時間 | ホーム | スコア | ビジター |
|---|---|---|---|---|
| ア・リーグ地区シリーズ A | 10月6日 | ヤンキース | 6-5 | ロイヤルズ |
| ア・リーグ地区シリーズ B | 10月6日 | ガーディアンズ | 7-0 | タイガース |
| ア・リーグ地区シリーズ A | 10月8日 | ヤンキース | 2-4 | ロイヤルズ |
| ア・リーグ地区シリーズ B | 10月8日 | ガーディアンズ | 0-3 | タイガース |
| ア・リーグ地区シリーズ A | 10月10日 | ロイヤルズ | 2-3 | ヤンキース |
| ア・リーグ地区シリーズ B | 10月10日 | タイガース | 3-0 | ガーディアンズ |
| ア・リーグ地区シリーズ A | 10月11日 | ロイヤルズ | 1-3 | ヤンキース |
| ア・リーグ地区シリーズ B | 10月11日 | タイガース | 4-5 | ガーディアンズ |
| ア・リーグ地区シリーズ A | 10月13日 | ロイヤルズ | - | ヤンキース |
| ア・リーグ地区シリーズ B | 10月13日 | タイガース | 3-7 | ガーディアンズ |
ナ・リーグ地区シリーズ（3戦先勝でリーグ優勝決定シリーズに進出）
| シリーズ | 日本時間 | ホーム | スコア | ビジター |
|---|---|---|---|---|
| ナ・リーグ地区シリーズA | 10月6日 | ドジャース | 7-5 | パドレス |
| ナ・リーグ地区シリーズB | 10月6日 | フィリーズ | 2-6 | メッツ |
| ナ・リーグ地区シリーズA | 10月7日 | ドジャース | 2-10 | パドレス |
| ナ・リーグ地区シリーズB | 10月7日 | フィリーズ | 7-6 | メッツ |
| ナ・リーグ地区シリーズA | 10月9日 | パドレス | 6-5 | ドジャース |
| ナ・リーグ地区シリーズB | 10月9日 | メッツ | 7-2 | フィリーズ |
| ナ・リーグ地区シリーズA | 10月10日 | パドレス | 0-8 | ドジャース |
| ナ・リーグ地区シリーズB | 10月10日 | メッツ | 4-1 | フィリーズ |
| ナ・リーグ地区シリーズA | 10月12日 | ドジャース | 2-9 | パドレス |
| ナ・リーグ地区シリーズB | 10月12日 | フィリーズ | - | メッツ |
ア・リーグ優勝決定シリーズ（4戦先勝でワールドシリーズ進出）
| 日本時間 | ホーム | スコア | ビジター |
|---|---|---|---|
| 10月15日 | ヤンキース | 5-2 | ガーディアンズ |
| 10月16日 | ヤンキース | 6-3 | ガーディアンズ |
| 10月18日 | ガーディアンズ | 7-5 | ヤンキース |
| 10月19日 | ガーディアンズ | 6-8 | ヤンキース |
| 10月20日 | ガーディアンズ | 2-5 | ヤンキース |
| 10月22日 | ヤンキース | - | ガーディアンズ |
| 10月23日 | ヤンキース | - | ガーディアンズ |
ナ・リーグ優勝決定シリーズ（4戦先勝でワールドシリーズ進出）
| 日本時間 | ホーム | スコア | ビジター |
|---|---|---|---|
| 10月14日 | ドジャース | 9-0 | メッツ |
| 10月15日 | ドジャース | 3-7 | メッツ |
| 10月17日 | メッツ | 0-8 | ドジャース |
| 10月18日 | メッツ | 2-10 | ドジャース |
| 10月19日 | メッツ | 12-6 | ドジャース |
| 10月21日 | ドジャース | 10-5 | メッツ |
| 10月22日 | ドジャース | - | メッツ |
ワールドシリーズ（4戦先勝で優勝）
| 日本時間 | ホーム | スコア | ビジター |
|---|---|---|---|
| 10月26日 | ドジャース | 6-3 | ヤンキース |
| 10月27日 | ドジャース | 4-2 | ヤンキース |
| 10月29日 | ヤンキース | 2-4 | ドジャース |
| 10月30日 | ヤンキース | 11-4 | ドジャース |
| 10月31日 | ヤンキース | 6-7 | ドジャース |
| 11月2日 | ドジャース | - | ヤンキース |
| 11月3日 | ドジャース | - | ヤンキース |
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