ドラゴンボールでは作中で数々の名セリフが誕生した。ウーロン（CV：龍田直樹）が神龍に願った「ギャルのパンティおくれーっ!!!!!」など多くのファンの胸に強く刻まれたセリフは多いが、中でもファンを絶望の底に叩き落した今でも忘れられないセリフといえば、フリーザ（CV：中尾隆聖）が言い放った「わたしの戦闘力は530000です」だろう。
【映像】フリーザが「53万です」と語った超有名シーン（14分7秒ごろ～）
アニメ「ドラゴンボール改」は、1989年から1996年まで放送されたアニメ「ドラゴンボールZ」のデジタルリマスター再編集版。サイヤ人編～人造人間・セル編までの第1期が2009年4月から2011年3月まで放送され、魔人ブウ編の第2期は2014年4月から2015年６月まで放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」（集英社）で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明氏による同名漫画。シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える大ヒット作で、「Z」「GT」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月より放送される。
ドラゴンボールがバトル漫画に与えた影響は大きい。そのうちのひとつが強さの数値化と可視化だ。どれだけ強いかを数値で知ることができるというのは画期的で、ドラゴンボールではサイヤ人編で孫悟空（CV：野沢雅子）の兄・ラディッツ（CV：千葉繁）が地球に襲来したときからの定番となった。悟空＆ピッコロ（CV：古川登志夫）とラディッツの力の差がいかに大きかったかを今でも覚えているというファンも多いだろう。
ナメック星編でギニュー特戦隊隊長のギニュー（CV：小西克幸）と悟空が相対したとき、悟空の戦闘力を測るスカウターの数値は18万まで上昇し、12万のギニューを圧倒した。さらに悟空は「瞬間的に出せる力はまだまだこんなもんじゃねぇ」と言い切り、その後おとずれるであろうフリーザとの戦いに向けてファンに希望を持たせてくれた。
一方、フリーザはドラゴンボールの合言葉を知るために最長老（CV：滝口順平）のもとへ向かい、最長老を守るナメック星で唯一の戦士型であるネイル（CV：楠大典）と戦うことになった。これでようやくフリーザの強さがわかると期待したファンも多かったはずだが、その強さの数値がフリーザの口から告げられると、耳を疑った人が多かったのではないだろうか。「わたしの戦闘力は530000です」――。
18万という悟空の数値がちっぽけに見える、53万。悟空の強さが見えた直後だっただけに、“あまりに桁外れすぎる”と当時のファンの希望が絶望へと変わった瞬間だった。
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