上がらない賃金や物価高、 老後の資金などお金の不安は尽きない。調査によると若い世代でお金をかけたいもの1位が“貯金”。 使うより貯める傾向が強くなっている。
【映像】「現在は4700万円の貯蓄がある」給料手取り20万円のめざすチャン(30代)
しかし、使わないのではなく“使えない”というケースもある。貯蓄額およそ5000万のかぴさんは「お金を使う時にすごく考えてしまう。気楽に使うことができなくて、使い方が分からない。 今まで倹約しすぎて、お金が使えなくなっている」と述べた。"お金があるのに使わないことはダメなのか。かぴさんと共に『ABEMA Prime』で議論した。
■貯蓄額は約5000万円のかぴさん(30代前半)
節約家のかぴさん(30代前半)の貯蓄額は約5000万円(投資を含む)。妻と小学生の子と3人暮らしで、世帯年収は約700万円。月の収支が手取り50万円/支出25万円で貯蓄率は50%だ。
かぴさんは「小学生の頃からお金を貯めたいと考えていた」といい、「親に教えてもらったお金の教養が『貯金しなさい』『無駄遣いするな』『保証人になるな』の3つだった。その影響なのか、お祭り屋台の300円のかき氷は『家で作れば水が0円で、シロップが20円ぐらいだよな…』とか。世の中にお金と交換する価値がないものが存在することに気づいてしまった」と振り返る。
自身の節約術については「現状把握が大切なので、家計簿で支出管理する。固定費は極限まで落とす。家賃が1番大きいので、会社の補助を使って、現在は都内で4万円におさえている。車は定期的に買い替えたりせず、会社の人や親戚、友人からもらう。携帯は格安SIMで、保険は入らない」。
また、「夫婦共に毎月のお小遣いは0円。家計からお小遣いという形で支出されてしまうと、お金を使う時に雑な使い方になってしまう。気楽に使えるのが、お小遣いのいいところだが、使う時は真剣に使いたいと考えている。欲しいものは家計から出すので、ある意味無限と捉えることもできる」と付け加えた。
かぴさんは「“義務”の飲み会やプレゼントを廃止」としているが、「飲み会や遊びに行かないと、友達がいなくなる。極端にやりすぎてた時期があって、友達が少なくなってしまったと反省している」とも話す。
目標額はあるのか。かぴさんは「50歳で1億円だ。根拠としては貯めてる時には投資信託やETF(上場投資信託)を買ってるつもりなので、そこからの配当金で今の生活費がまかなえるという計算で、目標にしている」と答えた。
■“お金あるのに使わない”はダメ?
Xでは「お金使うの怖い 無くなるのが怖い」「コンビニや自販機使うのもためらい食べ物買うのも我慢すること増えた」「生活の質を上げたいけど、お金使えない症候群なのでどうしたら」などの声があがっているが、こういったお金を使うことに罪悪感や減る恐怖などを感じ出費ができなくなる状態は「お金使えない症候群」と呼ばれている。
ファイナンシャルプランナーの山口京子氏は「かぴさんみたいな方は今増えている。ちょっとしたものを買って、すごい後悔して罪悪感を抱える。幸せになれるはずなんだけど、お金を使って手にしたものを"なくてもいいんじゃないか"と考えてしまう。究極を言えば、コーヒーを飲むのではなく、ずっと水でいいんじゃないかという風に考えてしまう人が多くなっている」と説明した。
かぴさんは子どもの七五三で、着物のレンタルや写真館で記念撮影し、5万円の出費をしたときに「妻の子供の頃の着物を着て、スマホで家で撮れば、ほとんど0円なのに…」と考えてしまったといい、「子どもの大切な行事なのに、そんな風に考えた自分にモヤっとした」と明かす。
しかし、最近では「お金を貯めることだけが幸せではないということに気づいてきた。家族や友人との思い出作り、自己投資などに少しずつ使えるようになってきた」と自身の考えに変化が出てきた。
一方で、ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「幸せのためにお金を使うことはあるが、お金を使わないことで幸せを感じるやり方がある」と話す。「例えば、夜中帰るとき、タクシーに乗ったら1万円だけど、歩いて帰ったら1万円得した気分になる。そうやって、幸せの総量をいかに増やすことが大事なんじゃないか」との見方を示した。
(『ABEMA Prime』より)
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