タイヤに厳しい荒れた路面、霧や雨の悪天候などの影響で壮絶な戦いとなったWRC・世界ラリー選手権「ラリー・チリ」。日本時間9月30日未明の最終SS(スペシャル・ステージ)で、トヨタの王者が同僚のトップタイムに0.1秒まで迫る圧巻の走りで総合優勝を飾り、話題を呼んでいる。
前戦ラリー・ギリシャ終了時点で、マニュファクチャラー選手権首位のヒョンデから25ポイント引き離されているトヨタは、総力を挙げてポイント獲得を狙うべく、スポット参戦ながら今季3勝を挙げているカッレ・ロバンペラを起用した。
「ラリー・チリ」は、今シーズン最後のグラベル(未舗装路)ラリーであり、表面が硬くタイヤに厳しい路面であることに加えて、競技2日目デイ2からは、雨や霧も見られ、さらに難しいコンディションになっていた。
しかし、デイ2終了時点で首位に立つロバンペラは、最終ステージとなるSS16でも外的要因をものともせず、見るものを安心させるような安定した走りを披露。迫り来るコーナーをクールな表情で攻略していき、途中、暫定トップであるセバスチャン・オジエのタイムを縮めると、思わず解説のピエール北川氏も「なんだこの人?」と漏らすほど。
さらに「(空中を)飛んでるんですが、マシンの方向が変わっている。何なんですかね?(笑)」と凄すぎるロバンペラのテクニックには、北川氏も呆然。安定感があるのに速く、そのままフィニッシュラインを超えると、オジエと0.1秒差に迫るタイムで2位を獲得。結果的にロバンペラがラリー・チリを制した。
最高レベルの走りを見せつけられた視聴者からは、「はやい!」、「次元が違う」、「頼れるパートタイマー」、「スリップアングルがきれいすぎる」、「縮めた」、「ラインが全然違うな」、「なんだこの人w」など、驚きのコメントが並んでいる。
ロバンペラの貢献もあり、最終的にここ「ラリー・チリ」では、獲得可能な最大ポイント「55」を獲得したトヨタ。「17」にまで縮小されたヒョンデとの差は、残り2戦で十分逆転可能な数値となっている。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)