自民党総裁選挙で新総裁に選出された石破茂氏。舛添要一氏が国際政治学者から見た石破新総裁の課題について解説した。
「アジア版NATO」構想について舛添氏は「(NATOへの対抗として)ヨーロッパで旧ソ連のときに、ソ連・東欧のワルシャワ条約機構軍という強い組織があった。どこか1つの国が攻撃を受けたら、ほかの国は全部助けにいかないといけない。それと同じものをアジアで作る」と説明。
アジア版NATOの有用性については「日韓のあいだの安全保障条約もある、日米の安全保障条約もあるし、そしてオーストラリアやクアッドなど、皆やっていること。ドイツ軍やフランス軍、イギリス軍まで太平洋に来てやっているので、こんなものなくてもやれる」と切り捨てた。
日米による地位協定の改定については、現在の協定は日本にとって不利な内容で「完全に従属国になってしまっていて、私権がないような状態」と指摘して、石破氏には「核兵器のアメリカとの共有」「アメリカ国内に自衛隊の基地を設ける」といった考えがあると解説。
「お互いに基地があるから、地位協定を平等に扱うと言って、アメリカがOKするかと。むしろ防衛問題に得意であってよく知っているからこそ、アメリカから見ると『こいつ曲者だ』という反応が出てくるのではないか」と心配した。
また、中国との関係についても「台湾問題に触れるとものすごく反発をするので、相当難しいかじ取りを安全保障問題でやらないといけない」と不安視した。
政治ジャーナリストの青山和弘氏は「石破氏は防衛に詳しいからこそ理想的なことを言っている。地位協定は改定してより対等になればいい、しかし現実問題としてどうなのか。鳩山(由紀夫)氏が昔『最低でも県外』と普天間移転で言った。県外に移設できればいいが、現実はどういう道筋でアメリカと交渉ができるのかを考えたら相当ハードルが高かった。石破氏も同じようなことを言ってしまっているのではないか」とコメント。
舛添氏は平時ならいいが、いまは「いつなにが起こるかわからないようなとき」だとして「もっと言うとトランプが大統領になったら『そんなこと言うなら米軍を全部アメリカに戻すがそれでいいのか』と必ず言ってくると思う。もう少し現実を見ないといけない」と注文をつけた。
青山氏は「やり切るなら覚悟のいる政策。それぐらい石破氏が政治的な力を使って突入するのかどうか。大事な問題ではあるが、本当に重たい課題」と語った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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