「ドラゴンボール改」人造人間・セル編では未来からやってきた自身の子、トランクス(CV:草尾毅)に超絶厳しかったベジータ(CV:堀川りょう)が、魔人ブウ(CV:塩屋浩三)とのバトルの途中でトランクスに対して彼なりの優しさを見せた場面がある。トランクスへの接し方と孫悟天(CV:野沢雅子)に対するそれの違いが浮き彫りになったシーンだ。
【映像】トランクスに軽くトン、悟天にはドスン 差が大きいベジータ(16分1秒ごろ~)
魔人ブウが復活してしまったのは自分のせいだと自覚していたベジータは、隙をついて悟空を気絶させると、ひとり仙豆で回復し決死の覚悟で魔人ブウ討伐に向かった。しかし、魔人ブウの強さはベジータの予想をはるかに超えており、“どうしたらこの化物を倒せるんだ…”とお手上げに近い状況だった。
体の自由を奪われ、馬乗りでボッコボコ……“殺されるのも時間の問題か……”とファンも諦めかけた次の瞬間、戦いを陰から見守っていたトランクスと悟天がピッコロ(CV:古川登志夫)の制止を振り切って助けに入る。
間一髪のところで助けられたベジータは、トランクスに向かって「ブルマを……ママを大切にしろよ……」と語りかけると「抱かせてくれ……」と抱き寄せた。照れくさそうにしつつも嬉しそうなトランクスと、指をくわえて羨ましそうな悟天、そしてなにより初めて見せた“父親っぽい”ベジータの様子に目頭が熱くなってしまったファンも少なくなかっただろう。
するとベジータは「元気でな……トランクス」と別れを告げ、わが子の首元には“ベシッ”と軽めの手刀を決め気絶させた。さらに「なんでだよ!」と詰め寄ってきた悟天にはみぞおちに重めの一発!「ウゴッ…」とスローでうめきながら悟天も倒れ込むように気絶した。
悟空そっくりの悟天の顔を見つめるベジータの目は、わが子を見る目とは違い少し冷たいような気も……。容赦ないボディブローを受けてしまった悟天が少しかわいそうに思えてしまうワンシーンだった。
アニメ「ドラゴンボール改」は、1989年から1996年まで放送されたアニメ「ドラゴンボールZ」のデジタルリマスター再編集版。サイヤ人編~人造人間・セル編までの第1期が2009年4月から2011年3月にかけて放送され、魔人ブウ編の第2期が2014年4月から2015年6月に放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明氏による大ヒット漫画で、シリーズ累計発行部数は全世界で2億6000万部を超える。「Z」「GT」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月11日より放送される。
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