頭脳明晰なピッコロ(CV:古川登志夫)が聞いてもワケがわからないのだから、初見で理解しろというほうがムリな話だ。孫悟空(CV:野沢雅子)が初めて超サイヤ人3になろうとした際、悟空の説明を誰も理解できずにみんなが困惑する中、テレパシーで悟空の心を読んだピッコロでさえも「悟空……どういうことだ?」とツッコむ場面があった。
【映像】ピッコロが思わずツッコミを入れる瞬間(10分44秒ごろ~)
魔導士バビディ(CV:島田敏)と魔人ブウ(CV:塩屋浩三)のターゲットに選ばれてしまった西の都にはカプセルコーポレーションがあり、そこにはドラゴンレーダーが置きっぱなしにされていた。悟空は自分が時間稼ぎをしている間にドラゴンレーダーを取りに行くよう、トランクス(CV:草尾毅)に命じた。
瞬間移動で魔人ブウたちの目の前に現れた悟空は、バビディが探している3人が間もなく現れるからと、破壊をやめるよう説得。しかしそんなことは当然聞き入れられず、バビディは「そんなの待ってやるもんか。すぐにここに来るんだ。でなきゃ地球人を殺し続けるぞ」と笑うのみ。すると悟空は「だろうな。じゃあオラもちょびっとだけ抵抗させてもらおうかな」と何か考えがあるようだった。
悟空は超サイヤ人に変身すると、さらにこう言った。「超サイヤ人を超えた超サイヤ人を、もうひとつ超えてみっか」と……。いきなりこんなことを言われても「?」である。「スーパーなんとかをこえたスーパーなんとかをさらに超えた?」頭だけは良さそうなバビディもこんな説明では理解できないのは当然だ。見るからに頭の悪そうな魔人ブウにいたっては終始笑っているだけ。
超サイヤ人について少なくともバビディらより知見のあるピッコロですら、神殿から悟空の心を読みながらこめかみにうっすら血管を浮かべつつ「悟空……どういうことだ?」と思わずツッコミを入れていた。このときはまだ、超サイヤ人「2」や超サイヤ人「3」という呼び方が誕生する直前だったこともあり、悟空自身もどう説明すれば理解してもらえるのか、わかっていなかったのかもしれない。
バビディが「いったいあいつは何を言ってるのだ?さっぱりわからん!」と理解することをあきらめると、時間稼ぎにちょうどいいと悟空は「おめえたちにわかりやすく超サイヤ人のことを教えてやろう」とレクチャーを始める。あらためて通常状態から超サイヤ人→超サイヤ人を超えた超サイヤ人に変身し、悟空が「超サイヤ人2ってとこかな」と説明すると、「うんうん」と魔人ブウも初めて理解できた様子だった。
さらにその上、超サイヤ人3は“超サイヤ人を超えた超サイヤ人をさらに超えた超サイヤ人”と、「超」の字が5回も出てくる。あらためて、超サイヤ人「2」「3」という呼称ができてよかった……と思えるシーンだった。
アニメ「ドラゴンボール改」は、1989年から1996年まで放送されたアニメ「ドラゴンボールZ」のデジタルリマスター再編集版。サイヤ人編~人造人間・セル編までの第1期が2009年4月から2011年3月にかけて放送され、魔人ブウ編の第2期が2014年4月から2015年6月に放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明氏による大ヒット漫画で、シリーズ累計発行部数は全世界で2億6000万部を超える。「Z」「GT」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月11日より放送される。
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