第102代内閣総理大臣となった石破茂氏に足りないモノ、総理に求められる資質とは何か。元議員らが4日の『酔うまで生テレビ』に出演した際にコメントした。
石破氏は「この内閣での基本方針は守るということ」と、スローガンに「守る」を掲げた。しかし、予算委員会を開くことなく解散総選挙を表明したことで、立憲民主党の野田佳彦代表は「『ルールを守る自民党』といって自分が言ってきたことを守らない。とっとと逃げてしまうということに対して、私は深い失望を覚えています」、日本維新の会の馬場伸幸代表は「敵前逃亡内閣というのがぴったりの名称じゃないか」と非難の声を上げている。
「石破政権にいま足りないモノとは」という問いかけに対して、元衆議院議員の菅野志桜里氏はフリップに「狂気」と書き「多分いま、がんじがらめになっている。後ろから羽交い絞めにされて。でもそれを振りほどいて、やっぱり唯一の味方って世論だと思うので、世論のもとに全力で走って行くという、そういう振り解く狂気みたいなものが欲しい」と意見。当初石破氏が語っていたように予算委員会を開いてから解散すべきだったとして「普通のことをやるために、自民党のなかでは狂気が必要」と続けた。
元衆議院議員の宮崎謙介氏は「今回の組閣で、石破内閣になって刷新感をみんな期待したが全くない。むしろ議員仲間に聞いてもみんな落胆している」と厳しい評価をして、フリップに「聞かないチカラ」と書いた理由について「本当に強い信念を持って、逆に引きずり降ろされてもいいという覚悟。それがいま石破氏にはない。総理なった瞬間からあっちの言うことにもこっちの言うことも聞かないといけない、という状況になっている」と説明した。
政治ジャーナリストの岩田明子氏は小泉純一郎元総理大臣を例に出し、小泉氏には清和会という派閥の力があったとして「石破氏は一人。一緒に戦う人がいない」と指摘すると、宮崎氏も「今回、石破氏はあっちにもこっちにもお願いして総裁になっているので、最弱の派閥」とコメント。
続けて、岸田政権も「第5派閥」だったことから苦労があったとして「各派閥に配慮しないといけない。国会議員は個人事業主の集まりみたいなものなので、それを取りまとめている派閥は力がある。例えば、安倍(晋三)氏は最大派閥を率いていたから、安倍氏が言うことにはみんなが動く。そこが大きな土台の違い」と語った。
菅野氏は「結局この衆院選に勝つという結果を出すかどうかが石破氏の将来を決める」と指摘すると、1人1人の議員の事情ではなく広い視野で考えるべきだったとして「自分のやり方を貫いたほうが、多分自民党は勝つ。なんでそれをやらなかったのか」と残念がり「結局身内と世論の板挟みになって、石破氏自体が見えなくなっている」との見方を示した。
宮崎氏は「本来、石破イズムでいって勝てば国民はついてきたが、所信表明で“毒まんじゅう”を食っちゃった。もう引き返せない」とあとの祭りだとすると、岩田氏も「10月27日投開票だと言った時点で毒まんじゅうを食っちゃった」と同意。
さらに岩田氏は「施政方針演説を見たら全部、いままでの自説は降ろしている。逡巡(しゅんじゅん)することなく『あっちでいこう』という風に思ってしまった時点で、まず総理大臣として『そういう器だった』ということにもなるし、数は力じゃないが『あいつが言うんだったら一緒にやろう』と思わせるような人でないと駄目。政策の是非ではなく『あいつのためだったら俺が盾になってやろう』という世界」と解説した。
(『酔うまで生テレビ』より)