人口およそ3万人の福岡県大川市で9月末、2人の候補者が市長選に臨んだ。1人は、三選を狙う47歳の現職・倉重良一氏。そしてもう1人が、政治経験ゼロの77歳新人・江藤義行氏。最大の争点は、市の新たな観光拠点「大川の駅」事業計画の是非。市が誇るインテリア産業や、ものづくりを活かした地域振興策として現職の倉重氏が進めており、その総事業費は100億円を超えるとも伝えられていた。
しかし、そこに「待った」をかけたのが江藤氏。大規模な予算に「採算が取れない」「負の遺産を残す」と、計画中止を訴え市長選に立候補したのだ。その結果、計画中止に賛同する支持者の後押しもあり、見事当選。当初の訴えどおり、大川の駅構想は白紙となった。