親子がキャッチボールのひとつでもして遊んでいれば、未来は少し変わっていたのかも?孫悟空(CV:野沢雅子)が魔人ブウ(CV:塩屋浩三)と戦う悟飯を救うため、老界王神(CV:田中亮一)からポタラを授かり駆け付けた。ところが、悟空が投げたポタラを悟飯が痛恨のキャッチミス……よく見るとその原因は悟飯ではなく実は悟空だった!?
老界王神に命をもらい復活した悟空だったが、そのまま悟飯のもとへ駆けつけたところでやられてしまうのがオチ。そこで老界王神が悟空に与えたのが、2人がそれぞれ対称となるように耳に付けるだけで合体できるという超強力なパワーアップアイテム“ポタラ”だった。
瞬間移動で地球に戻った悟空は、ブウに対して「偉そうにしてられんのも今のうちだぞ!こっちはもんのすごいパワーアップアイテムを用意してんだ!」と自信たっぷりに宣言した。
悟空は「悟飯!これを!」と悟飯に勢いよくポタラを投げつけた。しかし、満身創痍の悟飯は状況も理解できておらず、悟空が投げたポタラをキャッチし損ねてしまった。ポタラが岩の中へと転げ落ちてしまうと、さすがの悟空も慌てて「拾え!早く!」と悟飯を急かしたのだった。
悟飯に対して“何やってんだよ”と呆れた人も多かったかもしれないが、このシーンをよく見てみると、悟飯ばかりを責めるのは少しかわいそうな気持ちになってくるのだ。悟空が投げたポタラは悟飯の頭上を通り越しており、実は悟空のノーコンぶりがポタラ紛失騒動の原因のひとつなのではないだろうか。
振り返ってみれば悟空と悟飯が一緒に過ごした時間は実はそんなに長くはない。悟飯が生まれてから悟空の兄・ラディッツがやってくるまでの4年間と、悟空が自力でナメック星から戻ってきてセルゲームが行われるまでの約3年間、そして精神と時の部屋で一緒に過ごした約1年間(1日)の計約8年間だ。
このとき悟飯は16歳、つまり悟空は悟飯が生まれてから半分近くあの世におり、生きていたときも修業するか戦うかしかなかった。せめてキャッチボールのひとつでもして遊んでやっていれば、悟空と悟飯がポタラ合体する世界が生まれていたかも……?
アニメ「ドラゴンボール改」は、1989年から1996年まで放送されたアニメ「ドラゴンボールZ」のデジタルリマスター再編集版。サイヤ人編~人造人間・セル編までの第1期が2009年4月から2011年3月にかけて放送され、魔人ブウ編の第2期が2014年4月から2015年6月に放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明氏による大ヒット漫画で、シリーズ累計発行部数は全世界で2億6000万部を超える。「Z」「GT」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月11日よりスタートする。
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