「実は警察はミスではなく、悪意を持って事件を作り上げたのではないか。当初我々が考えていたよりも、ずっとこの事件は闇が深い」。高田剛弁護士(和田倉門法律事務所)が、そう指摘するのは「大川原化工機事件」だ。
大川原化工機が製造する噴霧乾燥機に「生物兵器の製造が可能」と、ありもしない容疑がかけられ、大川原正明社長ら3人が逮捕、起訴された冤罪事件だ。社長らは弁護士の指示で黙秘を貫き、11カ月間「人質司法」を強いられた。その間には元顧問のがんが発覚するも、保釈もままならず、適切な治療を受けられないまま亡くなった。