食事の際に野菜を最初に食べることでダイエットや血糖値上昇の抑制に効果があると言われている「ベジファースト」。
一般的に広まっている健康法だが、5年ぶりに改訂された「日本人の食事摂取基準」においてベジファーストの記載がなくなっている。
さらに、糖尿病内科医の大坂貴史さんが「一般の人だけではなく医療者まで誤解している」「悪魔変換されている」と指摘したX(旧Twitter)投稿が話題に。
一体どういうことなのか? 大坂さんに話を聞いた。
「ベジファーストは『野菜だけを食べて10分休んで米だけを食べる』が『米だけを食べて10分休んでから野菜だけを食べること』よりも血糖値が低くなる、というもの。これがなぜか『野菜を先に食べることが良い』と単純化されて広まっている。それは大きな誤解だ」(大坂さん、以下同)
あくまで米を先に食べることと比較して、野菜を先に食べる方が良いというものが「野菜を先に食べるのが良い」とだけ独り歩きしている。また、野菜だけでなく、肉を先に食べても血糖値の上昇が抑えられる研究結果もあり、正確な情報が伝わっていないという。
そして大坂さんの指摘で気になるのは「10分休む」。これについても、元々の研究にあった手順やタイミングなどの部分が「スポッと抜けている」という。
この話を裏付けるかのように、厚生労働省の食事摂取基準2020年版には「食事摂取パターンとして野菜を先に食べることで食後血糖の上昇を抑制できる」と記載されていたが、2025年度版ではその項目が削除され、ベジファーストの記載がなくなっている。
大坂さんは私たちのさらなる誤解を指摘する。
「ベジファーストは血糖値だが、気がついたら“ダイエットに効果がある”という話になっていた。ここには全くエビデンスがない」
なんと、ベジファーストとダイエットに因果関係はないという。
しかし、ベジファーストが普段野菜を食べない人が食べるきっかけになっていることや、野菜や肉を先に食べることで血糖値の上昇抑制につながるため、健康意識を高める面もある。健康に関して様々な情報が飛び交う中、内容を見極めることが大切だと大坂さんは語る。
「『ベジファーストは良いですよ』で止まってしまい、『何に良いか』が抜けている。私の今回の投稿をみて『ベジファーストに意味がない』と言っていては『ベジファーストは良い』に引っかかった人と同じだ。何がどんな人に良いかをちゃんと理解した上で健康情報を受け取ってほしい」
ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介氏は大坂氏の指摘に対して「僕の中で常識がガラガラと崩れた」として次のように述べた。
「洪水のように押し寄せる情報の中で多くの人は見出ししか見ていない。前提を全部すっ飛ばして『野菜が最初ならオッケー』ではなく、しっかり吟味しないといけない」
(『ABEMAヒルズ』より)
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