「国公立約54万円(一部の国立は値上げで約64万円)」「私立文系は約105万円・理系は約140万円」
【映像】アメリカでは「破産」しても奨学金返済から逃げられない?(借金地獄の実態)
ファイナンシャルプランナーの前田菜緒さんが示した日本の大学における1年間の学費だ。さらに仕送りについては、公立=年間およそ140万円、私立=190万円という調査もある。
実質賃金が上がらない中、家庭に重くのしかかっているのが実情だ。
では、非常に高額であることで有名なアメリカの学費はどうか?
留学ニュースサイト「留学プレス」編集長の若松千枝加さんによると、アメリカの大学の年間の学費は「私立大学約4万3505ドル(650万円強)」「州立大学約2万4513ドル(367万円強)」と日本の4倍以上だ。
そうなると、頼りたくなるのが「奨学金」だが現実は厳しいという。
アメリカのビジネス事情に詳しい経営コンサルタントの前田健二さんは 「スカラシップ(奨学金)はハードルが高く、すべての学生が利用できるわけではない。飛び抜けて優秀な生徒でないと獲得できない」と話す。
そこで、多くの学生が利用しているのが教育ローン。しかし、ある問題が…
前田さんによると、アメリカで教育ローンを利用している方は約4300万人いるが、約700万人(全体の15%弱)が30日以上の返済遅延状態にあるという。
借入平均は650万円。それを10年から20年で返済しなければならず、利息も追加すると卒業後の返済は月10万円以上になることも。その結果、返済ができない人が増え、社会問題となっている。
「アメリカでは、保証会社が回収の代行をはじめ、手数料を上乗せして要求される。これが借金地獄を招き、返済ができない状況が悪化。多くの人が不況に陥る原因となっている」(前田さん)
なぜここまで学費が高騰するのか?
実はアメリカの大学にとって「世界大学ランキング」評価はとても重要であり、就職率や学生の大学選びにも大きく影響する。そんなランキング策定の大きな要素には「知名度の高い教授陣の存在」や「各種研究の成果」があり、研究を円滑に行うためには優秀な人材確保、充実した設備投資が必要だ。
そのため、資金の源泉の1つである授業料が高騰しているのだ。
この点について、教育経済学を専門とし、自身もアメリカの大学院を卒業した中室牧子教授は「実は650万円という学費の高さは大きな問題ではない」と指摘する。
「高い学費を払って重たい教育ローンを背負っても卒業後に高い給料を獲得できればあっという間に返済できる。逆に学費が安くても卒業後に低賃金になってしまえばそちらの方が問題だ。実際にアメリカの場合、名門大学を出ることでその後の収入の上昇が大きくなる傾向にある。確かに、コロナウイルスの影響や進学率の上昇による“大卒の希少性の減少”などの影響で収入が上がらず、困窮している人の割合が増えているが、それでもなお『割の良い投資』であり、名門大学の受験者数も減っていないのだ」
そして、日本とは異なりアメリカでは「大学名よりも学部の方が重要視される」という。
「“偏差値や大学ブランド”よりも“どこの学部で学問を収めたか”の方が大きな差を作り出してる、という研究もある。例えば、文学部や教育学部よりも理系の方が重宝される傾向にあるのだ」
アメリカは奨学金についてもシビアだ。
中室教授によると、アメリカでは成績が悪くなればすぐに「切られる」という。成績に関係なく借りられる、あるいは給付を受けられるものは少ないのだ。その上、もし払えなくなった場合、「破産しても免除されず、支払い義務が続くことが一般的」だという。
「特に若い世代には奨学金の問題が重くのしかかっている。奨学金があることによって結婚など、将来の選択肢が狭まってしまう傾向もあり、大統領選の争点にもなるほど関心を集めている」
(『ABEMAヒルズ』より)
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