「1000万あるだろ?」闇バイト強盗のターゲットが質店→民家・高齢者へ 元刑事「捕まるリスクが低い高齢者を狙う」
【映像】逮捕された20代容疑者ら(実際の映像)

 関東1都3県で相次いで発生している強盗事件。神奈川県横浜市では殺人事件まで起きた。犯人グループは闇バイトで集められた同一グループが関与している疑いがあるとみられている。

【映像】逮捕された20代容疑者ら(実際の映像)

 10月9日、千葉県船橋市で起きた緊縛強盗事件。男2人組が逃走していたが、現場から藤井柊容疑者(26)の指紋が見つかっている。

 16日、千葉県白井市で起きた緊縛強盗事件では、この家に住む70代の母親と40代の娘が2人組の男に手足を粘着テープで縛られ、目隠しをされた状態で暴行を受けた。「1000万円あるだろ?2000万円あるだろ?」などと脅迫し、現金20万円を奪った。この事件では、高梨謙吾容疑者(21)の関与が疑われ、不審な男がタクシーで「横浜に行きたい」と言っていたというコンビニ店員の証言がある。

 その4時間後に神奈川県横浜市で起きた、後藤寛治さん(75)が殺害された事件では、寳田真月容疑者(22)が逮捕された。自宅からはおよそ20万円の現金が盗まれていたことがわかっている。この現場からも藤井容疑者の指紋が見つかっている。

 そして、翌17日に千葉県市川市で、72歳の女性と50代の娘が住む一軒家で強盗傷害事件が起きた。事件発生当時、母親は夜勤で不在だったが、娘が犯人グループに連れ去られた。その日の新埼玉県川越市のホテルで監禁されているところを保護され、顔面と全身に打撲本があったが命に別状はないという。警察は娘と一緒にいた藤井容疑者を監禁の容疑で現行犯逮捕。さらにもう1人の実行役・高梨容疑者が神奈川県警に自首し逮捕された。

 一連の事件について、リーゼント刑事こと元徳島県警捜査一課警部の秋山博康氏は「同一グループが関与した可能性」「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)による犯行で、実行犯は闇バイトで応募した素人」と推測する。

 そして今年8月以降、千葉県八千代市、神奈川県厚木市、鎌倉市の質店などでも強盗事件が発生し、これらの事件にもトクリュウが関与している疑いが強まっている。鎌倉市の質店では、時計2本約2万2000円相当が奪われたが、このとき実行役2人と運転手役1人が逮捕された。この鎌倉での実行犯の逮捕を境に、相次いで高齢者が住む民家が襲われ始めた。これに秋山氏は「質店を狙っても店員に捕まる可能性が高いので、捕まるリスクが低い高齢者を狙い、かつ、粘着テープで緊縛して反抗を抑圧すれば、金品を奪い取りやすいと指示役と首謀者が考えたのでは」と語る。

「口が上手いやつがかけ子をやって、下手なやつは鉄砲玉のように現場に行かせる。(下手なやつは)ただの“逮捕要員”」(秋山氏)

 さらに、特殊詐欺について「暴対法の影響で暴力団の資金源がなくなった。それによって、ある暴力団が“オレオレ詐欺”というグループを作った流れで今がある」としつつ「元々、トクリュウは特殊詐欺が中心だった。ところが闇バイトで雇った子がなかなか電話をかけても話術が下手で騙せない。その子たちが電話をかける場所の家賃もかかる。だから電話をかけず、特殊詐欺から強盗に移行してきた」と説明した。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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