【明治安田J1リーグ】湘南ベルマーレ2-1サンフレッチェ広島(10月19日/レモンガススタジアム平塚)
守備者としての執念が、首の皮一枚をつなげた。サンフレッチェ広島のDF佐々木翔が相手シュートに対して顔面を突き出して防ごうとしたことで、シュートはネットを揺らすも、VARの結果ノーゴール判定に。これにはファンも「ササショーの懸命な守備で一点守った」と絶賛している。
注目のシーンは広島が1点リードで迎えた前半終了間際だ。湘南のCKを広島の守備陣は弾き切れず、FW福田翔生のバイシクルキックからDFキム・ミンテのシュートが決まり同点に追いつかれた。と、思われたが、ゴール直後、広島の佐々木が頭を押さえて倒れ込んだ。
湘南がキム・ミンテを中心に同点ゴールに歓喜する中、リプレイが流れると、福田がバイシクルキックする瞬間、佐々木がボールを頭で掻き出そうと顔面を突き出しており、福田のキックがボールと一緒に佐々木の顔面を蹴ってしまっていたのだ。
山本雄大主審は約2分間VARスタッフと交信した後、自分の目でも確認するべくオンフィールドレビューを行った。様々な角度から何度もチェックする。その間、解説・水沼貴史氏が「福田は浮いているボールに反応し、必死になって足を出した。佐々木は浮いているボールに頭を出して防ぎにいった。そこの足を出したシーンをどのようにとるか」と解説。約1分半にわたるオンフィールドレビューの結果、福田のファウル、すなわちノーゴールの判定が下された。
チームの窮地を救った佐々木の体を張ったプレーに対して、ファンは「佐々木翔が勇気を出して頭投げ出したことがこのファールをもぎ取った」「佐々木翔ナイスガッツだ!!」「ディフェンダーの鏡」「足が来ると分かっていて頭を出せるのは、ゴールを守る本能だ」「VARがあって本当に良かった」「ササショー、ナイス、ありがとう」と称賛を送った。
広島がキャプテンの好プレーで前半終了間際の失点は回避したものの、後半に2失点を許して逆転負け。12試合ぶりの黒星となり、2位・ヴィッセル神戸との勝点差を「1」から広げられなかった。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)