なぜ人は騙されてしまうのか。明星大学心理学部の藤井靖教授が「騙されやすい人のチェックリスト」をもとに解説した。
チェック項目は「①街でお金の話をしてくる人は絶対怪しいと思う」「②メッセージには即レスか、既読をつけたらすぐ返す」「③ファミレスのメニューで迷ったことがない」「④面倒な約束でも、断るより守るほうが楽だ」「⑤大事な決断をするとき、相談せず自分で決められる」「⑥少ない人数の友だちと深く付き合いたいと思う」というもの。
藤井氏は「チェックが多いほど騙されやすいという傾向」と説明しつつ、①のポイントは「絶対」の部分だとして「絶対かどうかはわからない。自分のなかで『絶対そうだ』『なければならない』と思い込んでしまう人ほど、意外性のある話を言われたときに『そんなこともあるんだ』となってしまう」と語った。
②について「実は騙された高齢者の方はLINEを覚えて、いつもすぐに返す方が多い。騙す側は『警察からこういう話がきている。いますぐ決めてください』と即断即決を迫る。だから即決しやすい人、すぐにコミュニケーションを取ってしまう人、決断をしてしまう人ほど騙されやすい」と解説。
「(③の)ファミレスのメニューは、『詐欺被害にあわない』という点で見ると、迷ったほうがいい」と説明。⑤については「結局だます側は対象を孤立させようとしてくるんです。『これは本当に秘密の話で周りにバレたらまずいから、自分で決めてください』という風に言うんです。だから普段から『自分でできる』と思っている人ほど、騙されやすい傾向にある」とコメント。
さらに、「(⑥の)コミュニティ、自分の心の居場所が少ない人は、いきなり大変なことが起きたときにいろいろな人に相談できないことが多い。相談できる相手がいないということ。だからせまく深く付き合っている人は、大事な人だからこそ、自分がピンチに陥った話で心配をかけさせまいとしてしまうことが起こりやすい」と、これも孤立がポイントだとした。
また、藤井氏は「詐欺被害のハイリスクをチェックする心理テスト」も実施。問いは「重要な仕事の最中に、大事な家族からメッセージが入った。『今すぐ帰ってきてほしい』、家族はあなたが大事な仕事をしていることを知っている。忙しい最中のため、できるだけ少ない文字数で家族に自分の思いが伝わるように、この要求を断る。電話はできない環境。何と返信するか」というもの。
これは「思いが伝わるかどうか」がポイントだとして「ピンチな状況。しかも大事な家族、自分も大事な仕事中。パニックになりそうなときに他人のせいにしたり、もしくは自分のせいにしたりするような言動が含まれていると、感情的な反応をしがち」と指摘。
「たとえば『こんな仕事中に連絡してこないで』と責めるような言動や『仕事だから申し訳ないけど帰れない』のように言ってしまう人だと感情的なやり取りになりがち。特にピンチになったときに、自分が悪い、申し訳ないといった気持ちになることでも騙されやすくなる」と解説した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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