HSPとは
最近、SNSなどで目にするようになった心理学用語「HSP」。Highly Sensitive Person:ハイリー・センシティブ・パーソン=「とても繊細な人」という意味で、近年注目されている。
HSPの主な特徴
生まれつき人一倍敏感な「気質」をもった人のことを指す。光や音などの刺激に敏感で疲れやすかったり、人の気持ちに振り回されやすく共感しやすかったりとさまざまな特徴がある。約5人に1人が当てはまるという。
HSPの長所
その繊細さや感受性の高さによって、相手の立場に立って行動できたり、映画や演劇や美術展といった芸術を人一倍楽しめたりするなどの特徴があるとされている。
HSPが直面する課題
うつ病などの心の病とは違い「病気ではない」ことから、周囲の理解が得られないケースも。そのため、当事者の多くが日常生活で生きづらさを感じているとも言われている。HSPではない人に比べて適応障害やうつ病になりやすい傾向もあり、生活に支障が出る場合は治療が必要になる。
HSPとうつ病の自己診断テスト
□1. 大きな音や雑然とした光景など強い刺激が不快で、わずらわしいと感じる
□2. 忙しい日々が続くと、暗い部屋やベッドなどのプライバシーを守れる場所に逃げ込みたくなる
□3. 他人の気分に左右される
□4. 短時間にしなければならないことが多いと、気が動転してしまう(オロオロするなど)
□5. 生活や環境に変化があると混乱する
□6. 子供のころ、親や教師から「内気だ」や「敏感だ」と見られていた
□7. 音楽や美術、芸術に深く感動する
□8. 繊細な香りや味、音や音楽が好き
□9. 一度にたくさんのことを頼まれるとイライラする
□10. ビクッとしやすい
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□11. 最近、睡眠不足や睡眠過多である
□12. 一日中 憂鬱な気分が続く
□13. 元々、興味のあった事に興味を持てなくなってきた
□14. 自殺を考えてしまうことがある
・1-10で「はい」を多く選んだ人は【HSP】の傾向が強い
・11-14で「はい」を多く選んだ人は【うつ病】発症の可能性あり
(引用:品川メンタルクリニックHPから)
HSPを公表した著名人
・田村淳 (ロンドンブーツ1号2号)
・てんちむ(YouTuber)
・最上もが(元でんぱ組inc.)
HSPを判断する際の注意点
「HSPは病気ではなく性格・個性の一つで、それ自体は治療対象ではないが、発達障害は生まれつきのものだし、精神疾患の症状は別のもの。本人が診断を受けていないなかで、『自分はHSPだ』と自己判断してしまうと適切な治療が受けられないことにつながる。HSPは診断を受けるものではないが、その症状が他の病気や障害に該当しないかは調べてもいいと思う。HSPだから…と決めつけすぎず、専門家の意見を聞いたり、周囲に相談するのは非常に大事なことだと思う。HSPか他の疾患・障害かで、自分が取れる対処も変わってくる」(明星大学心理学部教授、臨床心理士・公認心理師の藤井靖氏/ABEMA TIMES『繊細すぎて生きづらい? HSPは病気or性格? 日本人の5人に1人が該当 専門家「必要なのは当事者と周囲の理解」』より)