「清い心を持っていないと乗ることはできない」と自分で言っておきながらなぜ自信満々に乗ろうとした!? アニメ「ドラゴンボール」で亀仙人(CV:宮内幸平)が初登場した第3話では、ウミガメ(CV:郷里大輔)を助けた孫悟空(CV:野沢雅子)にお礼として筋斗雲を譲る場面があった。亀仙人は筋斗雲の乗り方を教えようとお手本を見せようとしたが……。
悟空とブルマ(CV:鶴ひろみ)は、一夜を明かしたカプセルハウスの近くでウミガメと出会った。ウミガメは松茸狩りをしていて仲間とはぐれ、かれこれ1年ほど海を探してさまよっていたという。
目的の海は悟空たちと出会った場所からおよそ120キロ先にあり、とてもウミガメだけではたどり着けないほど遠かった。そこで悟空たちはウミガメを抱えて海まで連れて行ってやることにした。海に到着したウミガメは、どうしてもお礼がしたいと悟空たちに待つように伝えると、老人を乗せて再び悟空たちの前に戻ってきた。
これこそが亀仙人初登場の瞬間である。亀仙人はウミガメを助けてくれた悟空にお礼として不死鳥を呼んで永遠の命をプレゼントしようとする気前の良さを見せた。しかし、不死鳥は不死鳥のくせに食中毒で死んでしまっていたらしく、姿を現すことはなかった。
そこで代わりにと亀仙人が呼び寄せたのが筋斗雲だった。筋斗雲は悟空がその後舞空術を使えるようになるまでの少年時代を支える相棒でもある。「清い心を持っていないと乗ることはできん!つまり、良い子でなくてはダメということじゃ」と筋斗雲に乗れる条件を説明すると、見本を見せるために筋斗雲に飛び乗った。
しかし……亀仙人は筋斗雲を綺麗に通り抜け、地面に落下。腰をしたたかに打ってしまった。この結果に亀仙人は「おかしい……」と納得いかない様子を見せると、悟空が見事に筋斗雲に乗れたのを見て「はて……どういうことじゃろう……」と不思議がる始末だった。
なぜ亀仙人が筋斗雲に乗れなかったのか、その理由はすぐに明らかとなる。ブルマが自分も……とお礼を要求すると、亀仙人は少し考えたのち「パ……パン……パンチーをみせてくれたらな!」と欲望丸出しの条件を出したのだ。ドスケベ発言に驚愕したウミガメからも「筋斗雲に乗れなかったワケがわかりましたよ!」と突っ込まれていた。“スケベだと筋斗雲には乗れない”という事実に、当時の少年たちもちょっと姿勢を正した瞬間でもあった。
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載され、シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える鳥山明の同名漫画が原作。以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作され、20作を超える劇場版も公開されたほか、数多くのゲームシリーズにもなっている大ヒット作だ。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」も10月11日より放送されている。
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