これがブルマという女子のノリの良さよ……。亀仙人(CV:宮内幸平)に“胸をさわらせる”という約束を果たすため、ブルマ(CV:鶴ひろみ)がウーロン(CV:龍田直樹)に身代わりとして自分そっくりに変身するよう頼む場面がある。自身と瓜二つの姿に変身したウーロンに、ブルマもご満悦だった。
6つ目のドラゴンボールを手に入れるためにフライパン山までやってきた孫悟空(CV:野沢雅子)たちだったが、目的のドラゴンボールは燃え盛る炎に包まれた牛魔王の城の中だった。悟空もなんとか侵入を試みたが、あまりの熱さに断念してしまう。
牛魔王(CV:郷里大輔)は亀仙人の持つ芭蕉扇なら炎を消すことができるかもしれないと、悟空に亀仙人から借りてくるよう依頼した。悟空は道中で牛魔王の娘・チチ(CV:荘真由美)をピックアップすると、一緒に亀仙人の住むカメハウスへと向かった。
悟空に事情を聞いた亀仙人は、芭蕉扇を貸す代わりに「あの子のパイパイをつつかせてもらえんかの?」とブルマの胸を触らせてもらえるよう悟空に交換条件を出した。なんのことかさっぱりわかっていない悟空は「いいんじゃないか?ブルマの胸つつくくらい」と軽くOKして交渉は成立した。
しかし、家の中をいくら探しても芭蕉扇は見当たらない。なんと亀仙人は芭蕉扇をナべ敷きとして使っており、ワンタンの汁がこぼれて汚くなったため捨ててしまっていたのだ。それを聞いてチチは「火が消せない」と泣き出してしまい、悟空も「ドラゴンボールもだめだなあ」と落胆の色を見せる。そこで亀仙人は「よろしい、こうなったらワシが自らフライパン山に出向いて火を消してやろう」と力強く言った。
「じいちゃん、そんなことができるのか?」と心配する悟空をよそに、フライパン山に到着した亀仙人は、力を込めてムッキムキに筋肉を隆起させると、奥義「かめはめ波」を披露。見事牛魔王の城を包む炎を消し飛ばした。
張り切りすぎて城ごと吹き飛ばしてしまった亀仙人だったが、ブルマは城の跡から無事ドラゴンボールを発見することができた。ブルマは亀仙人が条件を思い出す前にその場を去ろうとしたが、亀仙人がスケベな約束を忘れているわけもなく、当然のように止められた。
そこでブルマは一計を案じる。ウーロンを物陰に連れ出すと、自分に変身して亀仙人をあしらうよう頼んだのだ。嫌がりながらも断れないウーロンは一度変身したが、その姿はズングリムックリでまるで似ても似つかないもの。当然ブルマに「何よそのブス!もっとよく見なさいよ!」とツッコまれ、ウーロンは改めて変身。今度はどちらが本物か見分けがつかないほどそっくりだった。
あまりのデキの良さにブルマも「あービックリした!一瞬どうしてこんなところに女優がいるのかと思っちゃったわ……」と自分の美貌を大絶賛するノリの良さを見せる。イヤがっていたはずのウーロンも意外とノリノリで、「早速つつかせてくれ」と迫る亀仙人に対して「あーら純情ね、つつくだけでいいの?」と出血大サービスの“パフパフ”を実行。「おおっ!」「ぐおおっ!」「すげげーっ!」と亀仙人の幸せそうな声だけがこだましていた。
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載され、シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える鳥山明の同名漫画が原作。以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作され、20作を超える劇場版も公開されたほか、数多くのゲームシリーズにもなっている大ヒット作だ。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」も10月11日より放送されている。
(C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション