超人的な身体能力を発揮するキャラが多く登場する「ドラゴンボール」の中でも、とりわけ印象的でワクワクしたシーンがこれではないだろうか。殺し屋・桃白白(タオパイパイ/CV:大塚周夫)が孫悟空(CV:野沢雅子)の元に行くために使った乗り物は、まさかの「自分が投げた柱」だった。
鳥山明氏の描いた数多くの乗り物はいずれも魅力的で、今でもファンの間で語り継がれているものも多い。「ドラゴンボール」にもバイクや車、飛行機、そして筋斗雲などたくさんの魅力的な乗り物が登場しており、最新アニメ「ドラゴンボールDAIMA」では「スカイシード」というオオオニバナの種で飛ぶ乗り物が登場し、ファンをワクワクさせている。
そんな中で一際異彩を放った“乗り物”がある。それは桃白白が移動手段として使った1本の建物の柱だった。悟空を殺してほしいというレッド総帥(CV:内海賢二)の依頼で悟空の元へと向かうことになった桃白白だが、悟空がいるカリン塔までの距離はレッドリボン軍本部から2300キロと直線距離にして日本列島(約2600キロ)に迫るほどの距離があった。
ジェット機を用意すると言うブラック補佐(CV:佐藤正治)に桃白白は「それには及ばん、飛行機では時間がかかりすぎる」と断ると、おもむろに目に入った1本の石柱のもとへと向かった。桃白白は品定めするように柱に触れると「この柱1本頂いてもよろしいか?」と一言。そして頑丈そうな太い石柱の一部をいとも容易く2~3メートルほど抜き取った。
そして「では30分で戻ってきますので」と言ったかと思うと思い切り柱をぶん投げ、直後に「ひょー!」とこれまたものすごい速さで自分が投げた柱に飛び乗ってしまう。そのまま2300キロ先にあるカリン塔へとあっという間に到着したのだった。
30分で戻るということは、片道10分ちょっとの計算ということか。だとすると桃白白の乗った柱の時速はなんと1万km/h以上……およそマッハ9の速さで2300キロを移動したことになる。音速の9倍の速さで飛ぶ円柱の上に立って移動する桃白白が只者ではないのは明白だが、相当な重さの柱をそんなスピードで2300キロ先の狙ったところに投げてしまう爆肩ぶりがそもそも異常だ。もしも桃白白が野球選手になっていたなら、殺し屋以上の大金持ちになっていたに違いない。
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載され、シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える鳥山明の同名漫画が原作。以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作され、20作を超える劇場版も公開されたほか、数多くのゲームシリーズにもなっている大ヒット作だ。
40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」も10月11日より放送されている。
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