「ドラゴンボール」で涙腺崩壊必至のシーンといえばこれが真っ先に浮かぶ。悟空の息子・悟飯が号泣する姿はシリーズではおなじみだが、少年時代の孫悟空(CV:野沢雅子)が涙を見せるシーンは非常に珍しい。悟空が初めて号泣した場面は、まさかの人物と再会を果たした瞬間だった。
6つのドラゴンボールを集めた悟空たち。しかし残り1つのドラゴンボールがレーダーでも捉えきれず、悟空たちは占いババ(CV:滝口順平)を訪ね最後のドラゴンボールの在処を占ってもらうことにした。
占いババに占ってもらうには1000万ゼニーを支払うか、占いババの用意した戦士と戦って勝利するかの二択しかなく、お金を持たない悟空たちが選んだのはもちろんバトルだった。悟空たちは順調に4人の戦士たちを倒し、残り1人というところまで辿り着く。最後の1人はお面を被った怪しい武道家だった。
「嬉しいニオイがする」と何かを感じ取っていた悟空だったが、戦いの最中に悟空はその正体に気づくことはできなかった。武道家は手合わせをした悟空の強さを実感すると、安心したように「まいった」と敗北を宣言し、唐突に試合が終了した。
全員があっけにとられるなか、武道家は「悟空、強うなったの。ようここまで修業した」と悟空を称賛。続けて「弱点の尻尾を鍛えるのは怠ったようじゃのう。注意しておいたはずじゃが……」と課題も指摘する。これを聞いた悟空は「まさか……まさか!」とようやく武道家の正体に気づいたようだった。
「そうじゃ、ワシじゃよ」と仮面を外した武道家の正体は、悟空の祖父・孫悟飯だった。これを見た悟空は「じ……じいちゃん!」と涙をこぼしながら悟飯に抱き着く。「じいちゃん……会いたかったよ」という悟空の表情は、これまで1度も見せたことのない泣き顔だった。しばしの間悟飯の胸に顔をうずめて号泣する悟空の姿に、思わずもらい泣きしてしまったファンも多かっただろう。
悟空は少年時代に悟飯との再会を含め3度涙を見せているが、これほど号泣したのはこの1度のみ。今になってこのシーンを改めて見ても、ウルッとしてしまうこと間違いなしだ。
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載され、シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える鳥山明の同名漫画が原作。以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作され、20作を超える劇場版も公開されたほか、数多くのゲームシリーズにもなっている大ヒット作だ。
40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」も10月11日より放送されている。
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