アメリカ大統領選挙は5日(日本時間6日)に投開票が行われ、共和党・トランプ前大統領が、民主党・ハリス副大統領に勝利した。
1月には誕生するトランプ政権。世界はどう変わるのか? アメリカ現代政治外交が専門の前嶋和弘教授に聞いた。
前嶋教授は移民問題について「アメリカとメキシコの間の国境は北海道から沖縄くらいの距離があるため、とてもではないが閉鎖はできず壁も作れない。だが、これを解決するアイデアを競うように練っている。『こうすれば国境閉鎖に近いことになる』『史上最大の強制送還が可能だ』などとアドバイスをする人たちが政権に任用され、その担当者になる」と分析。
ウクライナ情勢については「アメリカはウクライナに諦めさせる」という。
「トランプ氏は当初『就任したら24時間以内に(ウクライナにおける争い)をやめさせる』と述べていたが、最近は『就任の日までにやめさせる』と宣言している。一見『何を言っているんだ』と首をかしげてしまうが、やることは一つ。『ウクライナへの支援をやめる』だ。ヨーロッパは前倒しで支援しているが(アメリカの支援がなければ)いずれウクライナの戦闘能力はなくなる。そこで、トランプ氏は『東部ドネツクや南部のクリミアをロシアのものとして停戦』させるのだ。ウクライナ側からすると攻め込まれて領土を取られたものの、これ以上人は死なないから諦めよということだ」
袋小路に陥っている中東はどうなるのか?
前嶋教授は「イスラエルを支援することによって中東をまとめていく」と述べた。
「トランプ氏は一期目にアブラハム合意を結ばせようといた。これは、ユダヤ人の国家であるイスラエルとアラブの盟主であるサウジアラビア、あるいは他の国も繋げていくことによって“イラン包囲網”を築くというもの。ガザ紛争に関してはイスラエルを支援することで停戦させるかもしれないが、徹底してハマスを打倒することについては応援する。一方でイランとは戦争はしないものの包囲網によってどんどん弱くさせるのだ」
では、日本との関係はどうなるのか?
前嶋教授は「アメリカの圧力で日本の防衛費が上がる」と分析した。
「トランプ政権は基本的に“アメリカファースト”だ。そのため、拡大を続ける中国への対処のためにアメリカが強く前に出るのではなく『日本や韓国、オーストラリアに頑張ってもらう』というスタンスであり、日本には『防衛費をもっと増やせ』という圧力がアメリカから出るだろう」
(『ABEMAヒルズ』より)
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