なんてベタな、と思いつつも笑っちゃう?第22回天下一武道会の第2試合で、亀仙人(CV:宮内幸平)扮するジャッキー・チュンが男狼(CV:平野正人)と対戦。月がなくなり人間になれなくなってしまったと恨み節の男狼に対し、ジャッキー・チュンがクリリン(CV:田中真弓)の頭を満月の代用として使ったところ……。見え見えの展開ながらこれには当時の視聴者も大爆笑だった。
前回大会である第21回天下一武道会の決勝戦で、孫悟空(CV:野沢雅子)とジャッキー・チュンが優勝を争ったときのこと。満月を見た悟空が大猿化してしまったため、苦肉の策としてジャッキー・チュンはかめはめ波で月を破壊していた。
狼男とは逆に、月を見ると人間に変身するタイプである男狼は、ジャッキー・チュンが月を破壊してしまったため人間になれなくなってしまっていた。ギャルに見向きもされなくなってしまったと嘆く男狼はチュンに恨みを抱いているようだが、チュンは「狼の彼女見つければいいんじゃないの?」と冷静な一言。しかし男狼はどうしても人間の彼女が欲しいと一歩も譲らない。
そんな男狼を少し哀れに感じたのか、ジャッキー・チュンは「ワシが人間にしてやるわい」と言うと、まずは男狼を場外負けであっけなく勝負をつける。そして勝敗に納得がいかず襲い掛かってくる男狼に金縛りの術をかけると、クリリンを武舞台に呼び寄せた。チュンがクリリンを後ろ向きで男狼の正面に立たせたところ、そこでようやくクリリンも「あの……まさか僕の頭を満月の代わりにしようというんじゃないでしょうね?」と自分の頭が月の代用にされかかっていることに気づいた。
「冗談が過ぎますよ」と半信半疑なクリリンだったが、ジャッキー・チュンは男狼に催眠術をかけるという。そしてまんまと催眠術にかかった男狼には、クリリンの頭が真ん丸な美しい満月に見えていた。
男狼は見事人間に変身することができ、万事解決!恨み節がウソのように男狼も大喜びで「これでナンパができるぜ!女の子と遊べるぜ!」と意気揚々に去って行った。しかし、変身後の顔はお世辞にもハンサムと言えるような顔ではなく、役に立ったクリリンも「狼のほうがまだ良かったような……」と微妙な表情を浮かべていた。
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載され、シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える鳥山明の同名漫画が原作。以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作され、20作を超える劇場版も公開されたほか、数多くのゲームシリーズにもなっている大ヒット作だ。
40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月11日より放送中。
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