【ブンデスリーガ】マインツ 3-1 ドルトムント(日本時間11月9日/メーヴァ・アレーナ)
マインツのMF佐野海舟が、ドルトムント戦で先制点の起点となる推進力と“ある動き”を見せた。中央から左へと持ち運ぶドリブルと、DFフィリップ・ムウェネの1対1をアシストするフリーランニングでチャンスメイク。このプレーをきっかけにゴールネットが揺れたことで、解説者も絶賛していた。
36分の先制シーンだ。ハーフウェーライン付近から左に出されたパスを受けた佐野は、そこから一気に敵陣へと侵入。前方の広大なスペースへ、味方の動き出しを見ながらラン・ウィズ・ザ・ボールで持ち運ぶ。そして、左からオーバーラップしてくる左SBのムウェネへとボールを預けた。オーストリア代表DFはここで1対1となり、縦に抜け出してすぐさま左足でクロスを供給。一度は相手に弾かれたもののボールは右へ流れ、DFアントニー・カシの当たり損ねたボレーシュートが絶妙なクロスの形となって、中央のMFイ・ジェソンがヘッドで押し込んだ。
このゴールにおいて重要だったのが佐野のプレーだ。ABEMAの解説・安田理大氏は、ハーフタイムでこのシーンを深掘りすると、「サイドバック目線でこの動きが良かったというのが佐野選手だった」として、背番号6のドリブルとその後のアクションについて説明した。
「(ボールを預けた後に)上がってきた選手は、斜め(左)にランして自分がクロスを上げようとするんですが、そこで(佐野選手は左斜めに入らないで)ディフェンスを、あそこ(ボックス角)にいることでロックする。それで(ムウェネの)1対1の状況を生む。サイドバックをしていて、(自分の前方となる左)斜めにランニングされるのがめっちゃ嫌だった。俺がドリブルするスペースに入ってくるな、と」
つまり、ムウェネにパスを出した後、佐野があえてボックス角にとどまり相手(マルセル・ザビッツァー)をその場にピン留めしたことで、その後のゴール前の攻防に繋がるシーンを生み出したということ。安田氏は「ベストな動きだった」と賞賛した。
またABEMAのコメント欄では、「佐野は身体軽そうだなキレてる」「佐野が起点」などの反響も出ており、佐野が重要な役割を果たした上での先制点だったのだ。
試合はその直後、ゴールを決めたイ・ジェソンが自陣ボックス内でファウルを犯してPKを献上して同点に追いつかれたものの、前半アディショナルタイム48分に勝ち越しに成功。さらに54分にも佐野のロングフィードがきっかけで追加点が生まれ、3-1で試合は終了。攻守に躍動した佐野の活躍もあり、マインツは今季ホーム初勝利を収めた。
(ABEMA/ブンデスリーガ)