【明治安田J1リーグ】FC町田ゼルビア 3-0 FC東京(11月9日/国立競技場)
FC町田ゼルビアの先制点を呼び込んだのは、FWエリキの“神キープ”と“針穴パス”だった。相手が密集する隙間を射抜きMF白崎凌兵に届けたアシストにはファンも大いに盛り上がった。
ブラジル人FWのテクニックとアイデアが炸裂したのは15分のことだった。自陣からのロングキックにFWオ・セフンが競り勝ち、エリキがボックス内右に抜け出す。背番号11は内側に切り返し、顔を上げた状態でボールを触らず、マッチアップしたFC東京のDF木本恭生と対峙しながら選択肢を探っていた。
いつでも蹴ることのできる場所にボールを置き、細かなパスモーションを見せる。この7秒ほどの“間”で木本を静止させ、膝下を素早く振って中央にパス。ボールは木本の右足ギリギリのところを通過し、密集地に潜り込んだ白崎の元へピタリと届くとワンタッチで流し込み、町田が先制に成功した。
相手の動きを止め、後ろから走り込んだ味方を見逃さないピンポイントパスで今季初アシストを記録したエリキは、ゴール後に力強くガッツポーズし、両手を広げて天を仰いで喜びを表現した。ネットを揺らした白崎もすぐに駆け寄り、リスペクトを送った。
このシーンについて解説を務めた福田正博氏は、「エリキが上手く時間を作りましたよね。そのことによって、ゴール前に多くの人数が入ってくることができましたから。(パスも)良い選択ができました」と、エリキのアシストを評価している。
またSNS上には「エリキのタメうま」「狭いとこよく通した」「完璧な針穴ラストパス」「エリキ冷静に選んだね」「えぐいアシスト。ほぼエリキのゴールとも言えるくらいうめぇ」などファンからの称賛の声が寄せられた。
この先制点で勢いがついた町田は、さらに2点を追加。FC東京を3-0で撃破し、聖地・国立競技場で開催された“東京ダービー”で、実に6試合ぶりの勝利を掴み取った。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)