今回の大統領選では、ビル・ゲイツ氏もハリス氏側に約75億円を寄付した。なぜアメリカの大富豪は、多額の献金や社会貢献を行うのか。
時代を先取りしたビジネスを展開する「にしたんクリニック」社長の西村誠司氏は「事業全体にお金もうけではなく、世界を変えていくワクワク感がある」と指摘する。
「20代の最初は“山っ気”があり、『ガッツリ稼いで良い生活をしたい』という思いを持ってしかるべきだが、経験して刺激がなくなってくる。次のやりがいは、となると、事業活動を通して、社会を良くしていくことに行き着く」(にしたんクリニック・西村誠司社長)
その境地に達するには、「保有株式の配当や運用だけで『一生困らないくらいの金額』を得る。純資産100億円ぐらいあれば、寝ていても毎月2000万円は税引き後で入る」といった基準を西村氏は示す。
マスク氏は、地球環境を考えて電気自動車「テスラ」に投資し、人型ロボット「オプティマス」も披露した。中丸氏は「(マスク氏が)トランプ氏に規制緩和、ビジネスファーストのアメリカを期待している。トランプ&イーロンコンビが成功すれば称賛される可能性がある」と予測する。
2022年には、6兆4000億円でTwitter社を買収し、「X」に改名させたことでも話題になった。その背景には、旧Twitterでのトランプ氏のアカウント凍結があると、中丸氏は指摘する。「意見は自由であることが大事で、トランプを大統領にしたくないリベラル側の思惑を、マスク氏は良くないと感じた」。
「X」の文字へのこだわりも、マスク氏を語る上で欠かせない。会社名に「X.Com」「スペースX」「X」、息子の名前にも「X」と付けた。くしくも西村氏も、2010年のアメリカ移住時、メンバーと相談して現地事業に「XCom」と名付けていた。
「マスク氏に限らず、アメリカ人は『X』が好き。ゲーム機のXboxや、スマホのXperiaなど、『未知だけど、とてつもないポテンシャルがある、大きく世の中を変える』プラスのイメージを持っている」(西村氏)
ちなみにマスク氏の息子の正式名は、「X Æ A-Xii(エックス・アッシュ・エートゥエルブ)」だ。
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