主人公が遂げた急成長に、当時の視聴者も言葉が出ないほど驚いたものだ。第23回天下一武道会の日、孫悟空(CV:野沢雅子)は3年ぶりに仲間たちと再会を果たした。しかし、悟空のあまりの成長ぶりに、かつての仲間たちは誰も目の前の青年が悟空だとは気付かなかった。
【映像】イケメン青年になって登場したターバン姿の孫悟空(8分56秒ごろ~)
「男子三日会わざれば刮目して見よ」ということわざがあるが、3日どころか3年も会わずにいると、想像以上に成長するものなのか。あいにくの雨模様となった武道会当日、亀仙人(CV:宮内幸平)やブルマ(CV:鶴ひろみ)は、3年前に修業の旅に出て行った仲間たちの到着を待っていた。
最初に会場前に姿を現したのは悟空だったが、その姿は少年時代とは比べ物にならないほどスラッと大きくなっており、顔も精悍になっていた。悟空は「オッス!」とこれ以上ないほど“らしい”挨拶をしたが、ブルマも亀仙人も相手が誰だかまったくわかっていない。亀仙人は「おぬしの知り合いか?」とブルマに尋ねる始末で、ブルマも「ウーロン知ってる?」とウーロン(CV:龍田直樹)にパス。振られたウーロンも困り顔になってしまった。
悟空はそんなリアクションも意に介さずブルマの名前を呼ぶと、「じっちゃん!生き返って良かったな!」と亀仙人にも話しかけた。それでも亀仙人は「な……何!?じっちゃん!?」とピンとこない様子。
ブルマたちがようやく目の前の青年が悟空だと気づいたのは、悟空の口からクリリンらの名前が出たときだった。「まさか……悟空か!?」と口を揃えて驚く一同に対し、悟空は「何言ってんだ?当たりめえだろう?」とキョトンとした顔を見せていた。
それでも本当に悟空なのか信じられないウーロンに対し、悟空は「なんだよ~、こいつ頭に巻いてるからわかんねえのか?とってやら!よく見ろよ!」と頭のターバンを解くと、変わらぬ髪型にやっとその場にいた全員が悟空だと理解したようだった。
悟空はブルマと亀仙人を見下ろし「縮まったんじゃねえのか?」とベタなボケのようなトンチンカンなことを口にするところや、化粧をしたブルマを見て「ブルマ!唇あけえぞ!病気じゃねえのか?」とデリカシーの欠片もない様子はまさしく悟空そのもの。「口紅よ! 口紅!」とツッコミを入れたことで、半信半疑だったブルマもようやく悟空だと確信したようだった。
当時のキッズたちも翌日の学校では想像を超える悟空の急成長ぶりの話題で持ちきり。背も高く見た目も格好良くなった悟空を羨んだという人も多いのでは?
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載され、シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える鳥山明の同名漫画が原作。以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作され、20作を超える劇場版も公開されたほか、数多くのゲームシリーズにもなっている大ヒット作だ。
40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」も10月11日より放送されている。
(C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション