長崎県諌早市にあるPINCH HITTER JAPAN(ピンチヒッタージャパン)株式会社。
企業から商品の在庫を買い取り、それを卸会社やリサイクルショップに販売する在庫買取サービスを行うベンチャー企業で、ここ3年は400%超えの急成長を遂げている。
好調なのは業績だけではない。なんと、4月から約300人の応募があるなど人気も高まっている。
美容手当&海鮮丼も提供
東京と韓国に支社を設置するピンチヒッタージャパン。長崎出身の吉岡拓哉代表は「地元長崎を盛り上げたい」という強い思いで2013年に会社を立ち上げた。
「(私の学生時代は)ほとんどの友達が働く場所がないために東京や県外に出て行った。でも、元々半数弱は県内企業への就職を希望していた。『企業を知らないからじゃないか』と思った」(吉岡代表、以下同)
起業する中、自社を知ってもらうにはどうすればいいのか? SNSでの自社の発信と共に吉岡代表が取り組んだのは「福利厚生の充実」と「若い世代がイキイキと働ける環境づくり」だ。
今年新しく建てられた自社オフィスには、カフェスペースや疲れを取るための酸素カプセルが設置されている。お昼休みにはゲームや卓球を楽しむ従業員の姿も。
また、様々な手当も充実させている。
「美容手当・おしゃれ手当(月5000円)がある。また、長崎なので海鮮丼が月に一杯無料で食べられる制度も。福利厚生費はかかるが、採用コストを見ると東京で人を取るよりも低いので、会社としての取り組みにマイナスはない」
また、若い世代や県外の人にも様々な取り組みを実施。最近では、長崎出身の新卒社員やUターン社員も増えている。
長崎出身で新卒で入社した社員は「県外に出たかったが、地元の諫早でこんなに成長している企業が魅力的で入社した」と話し、同じく長崎出身で福岡から転職した社員は「面接の際も柔軟にスケジュールを対応してもらい、問題や負担はなかった。やっぱり地元は良いです」と語った。
「県外に出た人でも、『いつか長崎に戻ってこようと思っている人は一定数いる。しかし、一度出てしまうと給与水準や家族ができたことなどで戻りづらくなるケースが非常に多い。そのため『前職の給与は最低保証する』という制度を設けている。かつ長崎まで面接で何度も来てもらうのは負担になるため、オンライン上で一日で最終面接まで行う選考会を実施している」
従業員2人から始まり、今では80人を超えるまでに成長。吉岡代表は長崎県内の企業と連携した採用活動などを通じて求職者に様々な選択肢を提供していきたいと話す。
「尊敬する企業が長崎や他の地方にもたくさんあるが、それを知らなかったり伝わっていなかったりするケースが多い。企業の魅力を磨き、求職者に発信することが大事だ」
地方で生活水準を上げる方法
ピンチヒッタージャパンの取り組みを受けて、みずほリサーチ&テクノロジーズ主席エコノミスト 河田皓史氏は「地方企業は人材採用で不利だが、その点をクリアできればメリットは多い」と指摘した。
「例えば、eコマースなどロケーションに左右されないビジネスであればオフィス賃料などのコストを抑えられ、その分を賃金も増やしたり、別のところにお金を使える。従業員についても住居費や物価を抑えられるため、たとえ都会の企業と比べて給料が多少低くても生活水準は上がる可能性もある」
(『ABEMAヒルズ』より)
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